大阪府は、大阪府強靱(きょうじん)化地域計画案をまとめた。大規模自然災害など「起きてはならない最悪の事態」43ケースを想定、2017年度までの具体的な取り組みと、18〜24年度の中期目標を掲げた。
水門耐震化は、17年度までに尻無川水門と正蓮寺川水門の耐震補強、安治川水門で耐津波補強を終える。また、全22基の水門遠隔操作化、水門3基の自動化も完了させる。
広域緊急交通路などの橋梁耐震化では、17年度までに395橋で対策を完了(14年度時点で345橋完了)、防災・減災につながる道路ネットワーク整備は17年度までに24・8`(全体41・2`)で整備を進める。無電柱化は3カ年(15〜17年度)で4`を推進する予定だ。
広域幹線道路は、新名神(高槻〜箕面)の16年度末供用開始のほか、淀川左岸線延伸部で16年度中の都市計画決定、淀川左岸線U期は21年春の供用開始を目指す。鉄道は、北大阪急行線延伸が16年度工事着手、20年度完了、大阪モノレール延伸が19年度工事着手、29年度完了が目標だ。
ため池防災・減災対策では、17年度までに対象100カ所の耐震診断を実施、保安林対象の山地災害対策は、治山ダム26基(14年度)を17年度に100基とする。また、後方支援活動拠点などに活用する公園整備は、17年度までに2・6f、17〜24年度までに32・8fを整備する。
防火地域の指定促進では、指定建ぺい率60%以上の区域面積に占める防火・準防火地域指定面積について、現状約6割(14年度末)を17年度末までに約7割に引き上げる。また、密集市街地で防災街区整備地区計画など防火規制の導入を17年度までに進める。
鉄道施設は、鉄道50施設と駅舎25駅の耐震診断と対策を17年度までに、地下駅など対象10駅で浸水対策を検討・対策工を実施する。
被災したまちを円滑・迅速に再建する基礎となる地籍調査(官民境界等先行調査)は、建物全壊被害が想定される384平方`を対象に、17年度までに約38平方`、24年度までに約128平方`で調査が完了できるよう市町村に働き掛ける。
提供:建通新聞社