高知市は2月29日、2016年度当初予算案を発表した。一般会計の総額は1553億円で、対前年度当初比2・9%増、金額で44億円の増。4年連続で過去最大の予算額を更新している。このうち普通建設事業費は249億9897億円で同比23・9%増、当初と3月補正予算前倒し分を合計した額は255億5337万円で、前年度の当初と3月補正を合わせた額より24・2%増となっている。
一般会計と普通建設事業費が増加となった要因は、新庁舎、多目的ドーム、北消防署など大規模な建設事業の継続費が計上されていることが大きい。岡ア誠也市長は16年度予算について「4期目の初めての当初予算。公約であった『にぎわいと暮らし安心のまちづくり』を織り込んだ」と話し、「暮らし安心には二つの大きな意味がある。一つ目は南海トラフ地震対策、もう一つは少子高齢化の対策。これらに重点的に予算化した」と特徴を説明した。
岡ア市長が述べたように、南海トラフ地震対策関連予算に重点化している。ハード整備には一般会計で前年度当初比34・0%の156億2900万円、特別会計や事業会計を含めた総計では同比18・2%増の198億7100万円を計上。命と暮らしを守る「安全・安心」施策を重点化した予算編成となっている。
普通建設事業のうち主な新規事業は、秦中央保育園の移転新築に向けた用地費などに1億4000万円、横浜小学校体育館の改築に3億7600万円(17年度継続事業)、第四小学校グラウンド整備事業に1億4000万円、工石山青少年の家の耐震補強推進に4800万円、中央消防署(仮称)の新築に向けた基本・実施設計などに7000万円、高須分団屯所建設事業に4000万円などを盛り込んでいる。
主な継続事業は、大津保育園改築に4億7000万円、宮前保育園改築に4億6000万円、春野広域農道の歩道整備と舗装補修に3億円、仁ノ地区の排水対策事業に3億1700万円、一宮産業団地の公共施設整備事業に9億9900万円、旭駅周辺市街地整備事業に15億7790万円、都市計画道路高知駅秦南町線の用地取得や補償などに12億5920万円、橋梁長寿命化に向けた点検・設計・修繕工事に5億円、鏡庁舎の新築に1億3500万円、春野庁舎の新築に2億3000万円、東石立町市営住宅建て替えに向けた既存住宅解体などに5億円、斎場の整備事業に1億3800万円(火葬炉更新は18年度までの継続費総額5億円)などを計上している。
施設整備の補助金では、民間保育所6施設の増改築事業などに対する補助金に10億7239万円、介護施設などの整備事業補助金に2億5275万円、特別養護老人ホームなどの整備事業補助金に2億2200万円などを計上している。
特別会計では、一宮産業団地開発事業に1億4200万円を計上、仁井田産業団地開発事業には7860万円で実施設計、補償物件調査などを進める。
水道事業会計では、送水幹線二重化、基幹施設の耐震化、老朽管の敷設替え、耐震性非常用貯水槽設置などの災害対策事業に33億2257万円、増補改良事業に24億0820万円など。下水道事業会計では、公共下水道汚水整備事業(認証)に14億0500万円、公共下水道雨水整備事業(認証)に6億3850万円など普通建設事業費で34億6550万円を計上している。
3月定例議会は7日に開会、25日までの会期で行われる。
提供:建通新聞社