大分市は2月24日、ホルトホール大分で第2回目の市空き家等対策協議会(会長・佐藤樹一郎市長)を開いた。協議会は、26年11月に国が策定した「空き家等対策の推進に関する特別措置法」を受け、市の空き家対策計画を作成し、実行に移していく。会に先立って、委員は市内3ヵ所で▽小規模・中規模改修が必要▽利活用が可能▽大規模改修が必要―の空き家3事例を視察した。
学識者、自治会代表など約30人が出席。会では、国の空き家対策は▽28年度の税制改正で、親などから古い空き家を相続した相続人が28年4月1日〜31年12月31日までの間に譲渡した場合は、譲渡所得から3000万円を特別控除▽空き家対策総合支援事業を創設し、市町村が民間事業者などと連携した対策推進への支援措置―などがあると説明。併せて市は、富士見が丘団地の「ふるさと団地の元気創造推進事業」、大分市シルバー人材センターとの空き家管理の協定締結など8つの対策を進めていると紹介した。
また、大分市内の空き家状況把握のため、27年に水道中止データや空き家情報などの資料から抽出した空き家の件数は、データ上で1万5998件(重複あり)あるとした。その中から、明野周辺地区の441件を抽出し、実際に踏査した結果、建物があったのは377件、うち入居中219件、空き家158件、駐車場28件、更地25件、その他が13件と報告。空き家158件の内訳は、建物がそのまま入居可が67件、軽微な修繕が必要62件、小規模修繕が21件、中規模修繕が8件。空き家の周囲に危険がない、山の奥にあるなどの環境的要因を加えると、市が空き家の除去などに指導・勧告・命令ができる「特定空き家」は16件で、分布は鶴崎工業高校周辺の古くからある住宅地内に集中していた。市では、明野周辺地区の割合からみて、市内には「特定空き家」が数百件はあるとみており、27年度中に空き家の調査を終わらせたいとしている。
今後のスケジュールは、空き家対策計画は、29年2月末に最終案を決める考えだが、佐藤会長らから、もっと前倒しで取り組むべきだ、などの意見もあり、計画案決定が早まる可能性もある。次回の協議会は4月27日の予定で、空き家実態調査の最終報告、計画の方向性が議論される。
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大分建設新聞社