佐倉市上下水道部は「佐倉市上下水道ビジョン案」をまとめ、今月1日からパブリックコメントを開始した。計画期間は2016〜30年度の15年間。水道管は、重要施設までの耐震化を優先的に進め、30年度までに重要施設までの耐震化完了を目指す。下水道管は、長寿命化計画で目標とした延長73qの改築等を実施し、公共下水道長寿命化計画進捗率100%を目指す。ビジョンは長期にわたるため、4年ごとの実施計画を別途定め、進捗管理を行う。
同ビジョンは、@水環境A強靭B危機管理C経営の4つを基本方針に、成果指標を設定。重要施設までの水道管の耐震適合率100%(14年度末47%)、全水道管の耐震適合率60%(同36%)、基幹管路の耐震適合率100%、下水道長寿命化計画進捗率100%(同3%)を目指す。また、汚水処理人口普及率は24年度末までに100%(同96・5%)とする。
施設の老朽化対策・耐震化では、期間内に水道施設272億2400万円、下水道施設133億8000万円の合計406億400万円を投入する計画。水道施設の内訳は水道管227億2100万円、施設設備45億300万円。下水道施設の内訳は下水道管112億5100万円、施設設備21億2900万円。また、浸水対策として下水道管(雨水)整備に35億8100万円を予定する。
水道施設の更新・耐震化では、14年度に策定した佐倉市水道施設耐震化計画に基づき、佐倉市地域防災計画が想定する最大震度(震度6弱)による被害を想定し、基幹施設の優先順位を定め、効果的・効率的に進める。水道管は、重要施設に水を供給する水道管を優先的に進め、ビジョン最終年度までに重要施設までの耐震化を完了させる。市内に3か所ある浄水場については、想定地震に耐える高い耐震性を確保しているが、施設の経年化が進行し、更新サイクルの比較的短い電気・機械・計装設備の多くが更新時期を迎えている。このため、更新基準を設定し、計画的な更新を進める。
下水道施設は、佐倉市公共下水道長寿命化基本計画等に基づき、更新と耐震化を重点的に進める。下水道管は、長寿命化計画で目標とした約73qの改築等を実施し、公共下水道長寿命化計画進捗率100%を目指す。施設・設備については、下水道中継ポンプ場長寿命化基本調査等に基づき、ポンプ場等の施設設備更新と耐震化を進める。更新は中継ポンプ場、人孔ポンプの更新を計画。耐震化は20〜24年にポンプ場の建築物の耐震化を進める。また、中継ポンプ場の廃止など施設のダウンサイジングを推進する。
水道施設、下水道施設、浸水対策の計画期間内の事業費は次の通り。(年度別事業費は実施計画の中で定める)
【水道施設】
▽第1次実施計画(16〜19年度)=73億1700万円(水道管63億2800万円、施設設備9億8900万円)▽第2次実施計画(20〜23年度)=70億2700万円(水道管57億3300万円、施設設備12億9400万円)▽第3次実施計画(24〜27年度)=72億8400万円(水道管59億1900万円、施設設備13億6500万円)▽第4次実施計画(28〜30年度)=55億9600万円(水道管47億4100万円、施設設備8億5500万円)
【下水道施設】
▽第1次実施計画=36億2200万円(下水道管30億5800万円、施設設備5億6400万円)▽第2次実施計画=38億1800万円(下水道管30億9800万円、施設設備7億2000万円)▽第3次実施計画=38億500万円(下水道管31億7000万円、施設設備6億3500万円)▽第4次実施計画=21億3500万円(下水道管19億2500万円、施設設備2億1000万円)
【浸水対策(下水道管(雨水))】
▽第1次実施計画=8億9400万円▽第2次実施計画=9億7700万円▽第3次実施計画=9億7700万円▽第4次実施計画=7億3300万円