高知県は、市町村が水道施設の耐震化を推進するため、交付金制度の創設を検討している。対象は市町村が進める上水道事業のうち配水池の耐震化。市町村の一般会計が配水池の耐震化事業に対して水道事業会計に繰り出す額で、国の基準に基づき、水道事業会計に繰り出す額の2分の1を繰り出した翌年度に交付する。1施設当たりの上限は5000万円とする。今後、配水池の耐震化に充当する仕組みについて市町村の意向を確認しながら検討し、制度の具体化を進め、2017年度から予算措置を予定している。
全国的に水道施設の耐震化が課題となっているが、高知県内の水道施設耐震化は全国平均より低い。基幹管路の耐震化率は全国平均の36・0%に対し県内は22・8%、浄水施設は全国平均23・4%に対し22・8%、そして配水池は49・7%に対し35・9%にとどまっている。各市町村とも人口減少などにより料金収入も減少している中、施設の耐震化が進んでいないのが現状である。
こうした中、配水池は南海トラフ地震発生後に断水状態が続く際には応急給水の拠点となるため、県はライフラインの確保という観点で極めて重要な施設と位置付け、市町村が進める耐震化事業の推進を支援する意向。
現在、市町村から耐震化の要望がある配水池は51カ所で、それらの全容量は6万3954立方b、全てを耐震化するための概算工事費は25億円近くかかるとみている。これらの施設の耐震化が完了すれば耐震化率は現状の35・9%から68・5%まで向上する。
提供:建通新聞社