北海道建設新聞社
2016/02/29
【北海道】当麻町が役場庁舎を買い取り式プロポで改築へ−6月までに公告
当麻町は、役場庁舎改築に買い取り方式の公募型プロポーザルを採用する。6月までに公告し、夏にも設計・施工を一括で担う事業者を選定する予定。役場機能のみの施設を同方式で整備するのは、全国でもあまり例がない。2016年度の基本・実施設計を経て、17年度に着工。2カ年で施工し、19年4月の完成・全面供用開始を目指す。総事業費は13億円を見込んでいる。
町はこれまで、町産材を活用した公営住宅や公園、拠点施設といった公共施設整備に設計・施工一括の買い取り方式を取り入れてきた。15年度に整備を進めている木育推進拠点施設の買い取り予定価格は5億3000万円。これらの実績を踏まえ、工期短縮や費用縮減などの面で効果が高いと考え、同方式を採用することにした。
基本構想によると、新庁舎の規模はW造、平屋一部2階、延べ2000―2500m²程度。用いる木材は全て町産材とするため、今後、町森林組合で生産スケジュールなどの調整を始める。加えて、町内で発生する木材を使った木質バイオマスボイラの導入を検討するなど、森林資源が豊富な地域特性を生かし、新たな「まちの顔」として整備する。
春からの住民を交えた検討委員会で策定する基本計画に沿って設計・施工を担う事業者を公募。これまでに町が実施した同方式では、複数の企業グループによる技術提案を受け付けた後、コンセプトや地域特性への配慮などを総合的に評価し、最優秀者を選定する流れだった。
建て替えのスケジュールは、16年度の設計後、17年度に現庁舎西南側敷地で、新庁舎の約半分を建設するT期工事に取り掛かる。18年度は、役場機能をT期工事の完成部分や隣接する公民館などに移し、既存庁舎の解体に取り掛かる。解体跡地に残り半分をU期工事として整備。外構調整などをしながら、最終的に1棟の新庁舎として19年度から全体運用を開始する。
26日に発表した16年度予算案には設計費として1億円を計上。会見で菊川健一町長は「過度な建物は造らない。町産材を活用した親しみある庁舎として、ワンストップ窓口の設置など新たなサービスの展開を図りたい」との方針を示した。
建設地は当麻町3条東2丁目11の1の現庁舎敷地内。現庁舎はRC造、地下1地上3階塔屋2階、延べ3515m²の規模で、1973年に建設した。耐震性能不足や著しい老朽化のため、建て替える。