君津中央病院企業団は、中央病院及び大佐和分院の診療機能拡張に向けて「君津中央病院施設整備基本計画」をまとめた。計画は増築棟建設及び病院棟改修と大佐和分院施設整備の基本構想・基本計画で構成。増築棟は旧施設側の斜面部にRC造3階塔屋1階建て延べ4104uで建設。病院棟は2、3階部分1806uを改修。大佐和分院は一般病床40床、地域包括ケア病棟40床の合計80床で移転改築する方針。基本計画の策定はアイテック(東京都中央区日本橋本町1―6―5)が担当。
本院の概算事業費は総額40億600万円と試算。内訳は、増築棟が24億3800万円、病院棟改修が8億9300万円、医療機器が6億7500万円。増築棟の事業費は造成、法面掘削・解体、ドライエリア擁壁、アースアンカー、仮設ヘリポート建設を含む。
増築棟の施設内容は、通院治療センター(外来化学療法室)、MRI室、外来診察室、地域医療センター、(仮称)地域包括ケア推進センター、栄養食事相談室、患者図書室、患者相談室、ボランティア控室、医務局研究室、医師・看護研修室、スキルスラボセンター、医学図書室、ドクターヘリ運航管理室・ヘリポート直通エレベーターなどを予定。
また病棟の改修は、消化器内視鏡検査室の拡張、第2内視鏡洗浄室新設、医務局研究室が増築棟へ移転した跡地への短期滞在者手術室(兼外来手術室)の新設、中央手術室の移設拡充、医師当直室の増室など。
一方、大佐和分院の建て替えでは、既存の一般36床に4床増床し40床とする現状維持のA案、一般病床40床に地域包括ケア病棟40床を加え合計80床とするB案、同じく回復期リハビリテーション病棟40床を加え合計80床とするC案、同じく緩和ケア病棟20床を加え60床とするD案、同じく介護老人保健施設100床を加え140床とするE案の5案について検討。その結果、一般病床40床に地域包括ケア病棟40床を加え80床とするB案が収益性で最も優位とした。
同案による事業費は設計費1億800万円、建設工事費24億5500万円、医療機器・備品費6億5600万円の総額32億1900万円と試算。1床当たりの床面積は、現状の62・5uより広く、70uは過剰と判断し、65u(総延べ面積5200u)と試算した。
また建設地については、富津市から情報提供のあった現大佐和分院駐車場(7119u)、富津市役所隣接地(1万8994u)、浅間山運動公園用地(6万3192u)の3つの市有地についてメリット、デメリットを検討。今後、他の土地も含めて検討を進める。
事業スケジュールは、本院が新年度で造成の基本・実施設計を行い、その後、同年度内に造成工事に着工し、併せて増築棟の基本・実施設計を行う。造成工事は2016〜17年度の2か年で実施。増築棟の基本・実施設計も16〜17年度の2か年で行い、設計を17年度上半期に完了させ、17年度後半に本体に着工、17〜19年度の3か年で工事を行う。増築棟は19年度前半に完成させ、その後、本院の改修工事に着工し、19〜20年度の2か年で工事を行い、20年度内の事業完了を目指す。
また大佐和分院は、来年度から用地の選定に着手。その後、17〜19年度で基本設計を行い、基本設計完了後、19年度から実施設計に着手。20年度上半期に設計を完了させ、20年度後半に本体に着工し、20〜22年度の3か年で施設を整備する。
同病院は03年3月の竣工。敷地面積は10万9548・96u。病院棟の規模はRC造一部S造地下1階地上10階建て延べ5万1096・79u。設計は丹下健三・都市・建築設計研究所。工事は清水・鹿島・三井・キミツ鉄構建設JVが施工。