金沢市は25日、16年度当初予算案を市議会議会運営委員会に内示した。一般会計は15年度当初比3・4%増の1723億5000万円、一般会計と11特別会計、8公営企業特別会計を合わせた全会計では同2・0%増の3371億9940万7000円となった。また、普通建設事業費は次期廃棄物埋立場整備の本格化や、泉小・泉中学校建設に伴う増、国の経済対策に呼応して今年度最終補正予算案に前倒しした金沢外環状道路海側幹線4期区間の整備などを加えると、総額で約230億円の公共事業費規模を確保している。
山野之義市長は、新年度当初予算案について、「交流拠点都市実現に向けた重点戦略計画の着実な実践、本市の個性である伝統文化の継承発展とスポーツ文化の振興、地方創生事業等に呼応した元気な地域づくりの3つを重点に、アフター新幹線を踏まえた個性際立つ交流拠点都市を築く重点戦略予算としてまとめた」と述べ、編成にあたっては「国の経済対策に積極的に呼応し、補正予算とあわせ前年度を上回る公共事業費規模を確保する一方で、財政の健全性にも目配りした」と強調。重点戦略計画にも触れ「計画をローリングし、これと連動させて予算編成を行った」と語った。
世界の『交流拠点都市金沢』の実現【重点戦略計画の推進】に向け、新年度予算には計295事業、総額197億2286万6000円(ほか債務負担16億7170万円)を盛り込んだ。新規に金沢美術工芸大学移転整備事業費600万円を計上し、金沢大学工学部跡地への移転整備にかかる基本構想を策定していく。インターナショナルブランドホテルの誘致に向け、同ホテル事業化促進費として750万円を新規計上。公募型プロポーザルを実施して事業候補者が選定される。長土塀青少年交流センター(仮称)整備事業費には5030万円を計上し、青少年交流拠点施設として長土塀公民館を改築整備するための実施設計に取り掛かる。
大浦公民館の移転新築工事に着手するため、同建設事業費として新規に6185万円(ほか債務負担1億2640万円)を盛り込む。また、次期廃棄物埋立場建設事業費に11億3758万4000円、城北市民運動公園屋内プール整備事業費に33億7410万円、泉小・泉中学校建設事業費に30億5470万円(同2億3370万円)をそれぞれ充てる。
このほか、高齢者向けの多様な住まいを確保するため、新規に老人福祉施設整備費補助6億2919万6000円が計上され、ケアハウス等の整備を支援していく。
なお、当初予算案などの議案は、来月2日に開会する市議会3月定例月議会に上程される。
主要事業は次のとおり((新)は新規事業)。
▽文化ホールリニューアル事業費 2460万円―(新)実施設計に着手
▽建築文化拠点施設整備事業費 1億761万2000円―(新)実施設計に着手
▽(新)安原ボールパーク(仮称)整備基本計画策定費 200万円
▽新しい交通システム検討調査費 1500万円―(新)新しい交通システムの導入に向け、機種や選定等にかかる調査実施
▽(新)卯辰山工芸工房リニューアル事業費 330万円―基本計画の策定に着手
▽(新)夜間急病診療所移転整備事業費 1100万円―実施設計に着手
▽(新)防災情報システム基本計画策定費 500万円
▽(新)西外惣構跡(升形)保存整備事業費 500万円―市史跡の升形復元整備に向けた実施計画を策定
▽川筋景観魅力アップ事業費 4870万円―浅野川・歴史的橋りょうの照明整備に着手
▽金沢マラソン開催費 9000万円
▽(新)城北市民運動公園屋内広場整備費 3400万円―実施設計に着手
▽(新)城東市民体育館リニューアル工事費 8270万円―太陽光発電設備の設置、照明・床の改修を実施
▽(新)児童館耐震補強整備事業費 890万円―大徳児童館の耐震化に向け、耐震診断及び実施設計等に着手
▽森山町小学校校舎改築事業費 7090万円―(新)実施設計に着手
▽(新)新学校規模適正化計画策定費 200万円
▽(新)まちなか教育施設再編整備検討費 300万円
▽(新)郊外部移住者住宅取得奨励金 1000万円
▽基幹配水池耐震化事業費 4億8510万円(ほか債務負担6億6900万円)―(新)大桑配水池の耐震化に着手
▽高機能消防指令システム整備事業費 (債務負担12億3800万円)―(新)同システムに消防支援情報システムを統合し、18年10月の運用開始を目指す
▽金沢都心軸創生事業費 900万円―民間再開発の初動期活動支援ほか
▽金沢駅武蔵南地区市街地再開発事業費 2800万円―事業計画の策定を支援
▽近江町市場暮らし・にぎわい再生事業費 3120万円―複合商業施設の整備に向けた実施設計を支援
▽森本駅周辺整備事業費 2億4014万円―用地取得、整備工事を推進
▽緑住宅建替事業費(第3期) 1億2680万円―既存2棟の建替に向け、実施設計及び解体に着手
▽卯辰山公園開園100年魅力向上事業費 2900万円―(新)眺望の丘(仮称)の実施設計ほか