大阪府都市整備推進センターは、府域の市町村から個別に受託した橋梁点検業務を専門業者に一括発注する、「市町村道路施設点検等支援事業」の対象先自治体として、吹田市など8市町村を新たに加えた。これらの自治体とは、すでに協定を締結しており、今後、対象橋梁を絞り込み、2016年度にも橋梁点検を実施していく。また、担当者は、「今後、設計、工事でも同様の仕組みを検討し、しかるべき時点で内容を示したい」とした。
府域では、道路法省令・告示施行(14年7月1日)により、近接目視による5年に1回の定期点検が約6000橋(大阪市、堺市分除く)で必要となった。期間初年度となる14年度には435橋、15年度に400橋以上の点検を完了しており、あと3年で残る5200橋の点検を終える必要がある。
技術者やノウハウを持ち合わせない市町村にとっては、膨大な点検量が負担となるため、府都市整備推進センターがこうした自治体と協定を締結し、点検業務を一括発注することで、点検の進捗アップに取り組む仕組みだ。
これまでに茨木市、藤井寺市、泉南市、豊能町の3市1町と協定を締結済み。15年度も新たに、吹田市、大阪狭山市、河内長野市、和泉市、貝塚市、能勢町、太子町、千早赤阪村の5市2町1村と締結したほか、現在、2〜3市町と協定締結に向けた調整を進めている。今後、対象橋梁を絞り込み、16年度に点検業務を一括発注する計画だ。
点検後には各橋梁の健全度をT〜Wの4段階で判定。緊急措置段階(W)の橋があればメンテナンス会議に報告することになる。14年度には池田市の今井水路7号橋の1橋が同判定を受けたが、ことし1月末までに修繕を完了。15年度の点検では、現時点でW判定を受けた橋はない。
2月8日に開かれた大阪府道路メンテナンス会議(会長・寺元博昭国土交通省近畿地方整備局大阪国道事務所長)の第7回会合で報告された。
メンテナンス会議は、近畿地方整備局、大阪府、府下市町村、西日本高速道路会社、阪神高速道路会社などで構成。国が定めた統一的な基準に基づき、5年に1回、近接目視による全数監視をスムーズに行うため、14年5月に情報共有の場として設置された。
提供:建通新聞社