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建通新聞社四国
2016/02/26

【高知】高知県道路啓開計画 協議会で前回会議からの変更点報告

 高知県道路啓開計画の作成検討協議会が2月19日に開催され、昨年8月に開かれた前回会合から防災拠点・ルートの見直し、啓開日数の更新などの変更点を報告し、それに伴う橋梁耐震化、津波による落橋対策など今後の対策も更新した。また、四国地方整備局中村河川国道事務所、同土佐国道事務所、高知県土木部、高知県建設業協会の4者で南海トラフ地震発生時の道路啓開に関する協定の素案も報告、3月中に協定を締結できるよう、詳細をまとめていくことを示した。
 防災拠点の見直しについては、各市町村の防災計画の作成・見直しや、高知県災害時医療救護計画で定められた医療救護施設、防災拠点港を合わせて66カ所を追加。広域の防災拠点として5カ所を追加した。これによりもっとも優先度の高い地域の防災拠点Aが46カ所増え293カ所に、Bが448カ所、Cが512カ所、広域防災拠点が40カ所で、合計の防災拠点は1293カ所となった。
 ルートの変更については、市町村に依頼し、災害時に中心となる拠点を起点となるよう変更したほか、災害時医療救護計画、耐震改修促進計画改訂基礎調査結果を反映した変更が行われた。また被災想定情報の更新や、土佐清水市内の国道321号の一部で津波による落橋箇所の仮設道路計画を作成したことで、啓開日数を更新した。
 最新の啓開日数は、地域の防災拠点Aと広域の防災拠点の計333カ所を対象に算定された。このうち啓開日数3日以内は212カ所、7日を超える箇所は39カ所ある。3日を超える箇所の主な原因は、津波浸水3カ所、揺れによる落橋4カ所、津波による22カ所、落石・崩壊、岩石崩壊40カ所、長期浸水により啓開日数不算定32カ所、局所的な長期浸水4カ所。なお地域の防災拠点BとCの啓開日数は算定中。
 今後の対策としては、まず揺れによる落橋対策として橋梁耐震化を進める。従前より計画に含まれている魚梁瀬公園線の魚梁瀬大橋(馬路村)、大田口停車場線の薬師橋(大豊町)に加え、国道321号の山路橋(四万十市)と谷地日下停車場線の今市橋(日高村)が追加された。このうち山路橋は架け替えの工事、魚梁瀬大橋では耐震補強設計が進められている。
 このほか津波による落橋対策として仮設道路計画の作成が進められており、法面防災対策としては、国道194号や本川大杉線などで設計・工事を行う。
 国の中村河川国道と土佐国道、県、建設業協会とによる南海トラフ地震発生時の災害協定素案も示された。協会側からは指示系統の一本化や支部会員への意識付け、万一に備えた労災への対応などについて意見が出され、事務局を努める県も対応していく方針を示した。今後は3月までの協定締結を目指し調整していく。
 2016年度以降は、従来のL2クラスに加え、L1クラス想定による被災想定と啓開日数算定、各種計画の作成・更新によるバージョンアップ、長期浸水地域への検討、建設重機の位置情報の把握方法の検討などを進める予定。

提供:建通新聞社