国土交通省徳島河川国道事務所が整備を進める四国横断自動車道(新直轄区間)のうち、勝浦川渡河橋「津田大橋」(仮称)の整備に関する環境保全検討委員会(委員長・中野晋徳島大学大学院教授)の第3回会合が23日に徳島市内で開かれ、橋梁構造(橋梁形式)や環境保全対策、モニタリング計画などを議論した。この中で橋梁形式について「5径間(最大スパン長134・5b)で桁高3・6b」とする案を最も優位とする事務局側の提案を了承した。これを受けて同事務所は、2016年度から橋梁詳細設計などに着手する考え。ただし、環境影響評価の調査結果のうち、底生生物のハビタット区分の検討(クラスター分析)で一部データの不十分な地点があるなどの指摘もあり、同日了承された環境モニタリング調査計画の実施内容にこれらを十分反映させながら進めていく。
対象となる津田大橋は、徳島東インターチェンジ(IC、仮称)〜小松島IC(仮称)間7・7`のうち、津田高架橋(津田地区)と大神子第1トンネル(大原地区)間の勝浦川に架かる橋梁で、橋長544・5b。予備設計(八千代エンジニヤリング担当)が完了した状況で、河川内には橋脚が3〜5基見込まれていた。委員会では、橋梁の設置に伴う生物(鳥類、魚類・底生生物、植物など)の生息・生育環境への影響を評価。これを基に事務所は適性な橋梁の形式(橋脚数)などを検討、前回委員会(1月6日開催)で形式案について3案を示していた。
3案は、6径間(最大スパン長97b)で桁高(桁部分の厚さ)3・2bとする案@と、5径間(最大スパン長134・5b)で桁高3・6bとする案A、4径間(最大スパン長160b)で桁高3・1〜5・8b(変断面)とする案Bで、地形の改変割合や動植物への影響、景観について、大きな差は認められないとしつつも、施工性で案Aが工期約45カ月と、案@の約51カ月、案Bの約53カ月より短く、河川や周辺環境への影響が最も少なく優位と考えられるとした。
今後のスケジュールでは、16年度から橋梁設計・施工計画作成を環境モニタリング調査(事前)と並行して進め、10月ごろに第4回会合を開き、橋梁デザイン方針の決定、事前調査結果・施工計画を踏まえた評価と必要な環境保全対策、以降のモニタリング計画の検討などを議論することにしている。
順調なら17年度以降早期の着工を目指していく。
提供:建通新聞社