全国情報ネットワーク：各地域で信頼される専門紙33紙で構成

　県林業木材産業課は、ＣＬＴ（直交集成板）を使用したモデル建築物を建設・展示するため、秋田県庁前にＣＬＴを使用したバス停を建設する。23日の県議会一般質問で佐竹敬久知事が触れ、ＣＬＴ普及に向けて「県内企業の設備投資を促す」とした。
　県は実施主体となる秋田中央交通株式会社に補助金を交付するため、新年度予算案に事業費を計上。250万円以内で全額を補助するもので、予算化後は早ければ来月にも秋田中央交通がデザイン会社を公募し選定。建築施工者の決定を経て６月以降早期に着工したい考えだ。
　デザイン会社は秋田市内の企業を軸に、設計の実績を勘案して選定する。今回、使用するＣＬＴの製造について県は、可能な限り県内の集成材工場で対応したい考えで、県内に13ある工場の中から選定される見通しだ。
　ＣＬＴは、木板の繊維方向を直行・交互に張り合わせる集成材。断熱性や遮音性、耐火性が高く、オーストラリアやヨーロッパで普及している。国土交通省では新年度、ＣＬＴを使用した建築物の基準を策定する動きがあるほか、秋田県立大学の木材高度加工研究所（木高研）でも現在、秋田スギの端の凹凸を利用した小型パネルを開発し、特許を出願しているなど、普及に向けた動きは国内でも加速している。
　県は新年度、秋田中央交通への補助と合わせて、今月１日に設立した「秋田県ＣＬＴ等連絡会」を開催し、普及研修会や全国会議の出席などに力を入れる。連絡会は林業・木材関連８団体や秋田県建築士事務所協会、県内17市町村、木高研などで構成されている。
　県はバス停の新築と、連絡会の開催経費として、当初予算案に計365万7,000円の事業費を計上している。


秋田建設工業新聞社