香取市企画政策課は、清見屋跡地の整備に向けて「佐原駅周辺地区複合公共施設整備事業基本構想案」をまとめ、市議会全員協議会で説明した。施設は中央公民館、図書館など「公共施設」、観光情報発信施設や特産品販売所など「公益施設」、民間の「宿泊・滞在施設」で構成。延べ面積は民間施設を除いて約8000uと想定。民間の宿泊・滞在施設は別棟での整備を計画する。
施設は@交流の拠点A集客の拠点B魅力創造の拠点C生活支援の拠点D学び・育成の拠点――の5つを整備方針とし、公共施設は「地元住民の生活サービスの集積」を図り、民間施設には「交流と賑わいを促進する施設の集積」を求める。
施設構成は、「公共施設」が中央公民館、図書館、社会福祉関連施設、子育て関連施設、健康増進施設、市民活動支援センター、「公益施設」が観光情報発信施設、特産品販売所、交流ラウンジ、「民間施設」が宿泊・滞在施設、飲食物販施設をそれぞれ想定。建物は賑わい交流ゾーン、図書館ゾーン、子ども支援ゾーン、総合福祉サービスゾーン、中央公民館ゾーン――の5つにゾーニング。
賑わい交流ゾーンは、観光・情報発信施設、飲食施設、特産品販売所、物販施設などを整備し、屋外広場との連携を図る。図書館ゾーンは、図書館のほか、児童館の図書室、学習席などを整備。子ども支援ゾーンは、児童館や子育て関連施設を配置。総合福祉サービスゾーンには社会福祉関連施設を配置し、中央公民館ゾーンには中央公民館、市民活動支援センター、健康増進施設を配置するとともに展示交流スペースを設ける。総合福祉サービスゾーンと中央公民館ゾーンの大会議室、視聴覚室、創作室、調理実習室と総合福祉サービスゾーンの書庫、倉庫、調理室、和室、多目的室は、互いに共同利用し連携を図る。
このほか、屋外には駐車場250台、バス駐車場5台程度、シンボル広場などの整備を検討する。駐車場は、道路を隔てた反対側の西側敷地1589uと東側敷地に平面駐車場を整備する。ただ、駐車台数250台を確保するためには用地の不足が見込まれることから、東側敷地の隣接に用地を確保し、立体駐車場を整備することも検討する。面積的には2142u程度を想定する。
基本構想案は、現在進めている基本計画案の中でまとめた。新年度予算には基本・実施設計費に1億9230万円を計上。基本計画策定後に設計に着手する。設計費は繰越明許費を設定しており、2016〜17年度の2か年で設計を行い、18年度に着工、19年度までの2か年で建設し、20年度の開設を目指す。基本計画の策定は榎本建築設計事務所(千葉市中央区長洲2―8―5)が担当している。
同事業では、12年に佐原駅周辺地区活性化拠点整備事業基本計画検討委員会が「香取市中心市街地活性化基本計画」を策定。13年には「(仮称)情報・交流センター整備事業基本計画」をまとめ、観光振興機能と市民交流機能を備えた施設を整備する方針とした。その後、市民アンケートを実施。アンケートでは、佐原駅周辺地区で賑わいを生む施設整備を求める意見が多かった。
また、高齢者福祉、子育て支援の拠点整備が急務で、佐原公民館や佐原中央図書館は老朽化し大規模改修が必要となっていることなどから、両施設を移転して複合施設として建て替える方向で検討。商店街の活性化や市全体の施設整備等を考慮し、導入機能を再検証し、基本計画を見直すことになった。
なお、計画地は香取市佐原字竹之下イ132番3ほか地先。敷地面積は東側敷地6542uと西側敷地1589uを合わせた8131u。用途地域は商業地域(建ぺい率80%、容積率400%)。