地域の気候風土に見合った暮らしと建築術の普及拡大をめざして活動する一般社団法人エコハウス研究会(本部・東京都世田谷区、丸谷博男代表)の北陸大会が18日、地元の設計者や工務店関係者ら約100人が参加し、越前市塚町の武生商工会議所で開催された。
内容は、丸谷代表が提唱する太陽の恵み「そら」の熱と、地球の恵み「どま」の熱、2つを合わせて「そらどま」の輻射熱を住まいに取り入れて採暖採涼に生かす仕組みを、メンバー企業による先進事例を通して熱心に学んだ。
事例発表は、そらどまの家を実践する丸谷代表から始め、氏は12年10月の会発足来、北海道から沖縄まで全国を巡って伝えた木造建築の真価について分かりやすく話しかけた。日本列島の南北で違うデザイン性に触れ、持続可能な社会形成へ建築の在り方を示した。
続いて富山市の地域工務店であるジュープラス(永森裕章代表)が感動の家づくりを紹介し甲子園球児のように絶対手を抜かないワクワク・ドキドキする建築現場をアピール。滋賀県甲賀市の平野住建(平野勝代表)はアプローチにこだわった四季の暮らしを楽しむ家を紹介。雨といのタニタハウジングウェア(東京)は美しい太陽発電屋根の開発施工事例を取り上げた。協立エアテック(福岡県)は換気・クール暖施工事例を紹介し、TKWORKS(東洋鋼鈑)は屋内に光を運ぶ光窓を説明。セーレン(福井本社)は次世代ルーフィングの高い遮熱性と透湿性などをアピール。杉原商店(越前市)は杉原吉直代表がサスティナブル社会にふさわしい和紙の可能性を歴史的にも強調。最後には同会の北陸事務局を担う明光建商の塩谷昭文会長が屋根に省エネ塗料のシポフェースなど多彩なエコ商品群を紹介した。
また会場周辺には展示スペースを設けて、酒井化学工業(鯖江市川去町)が建築土木資材用に純度99%のアルミ箔を熱接着した高遮熱反射材を。ネクセル(鯖江市上河端町)はLED充電式の投光器をPR。各社技術力を生かしたイチ押し商品を取りそろえた。