国土交通省紀勢国道事務所は、国道42号熊野道路事業について、1月下旬に用地幅杭設置や用地調査、用地境界の立ち会いに向けた地元説明会を実施、3月中旬から順次、用地幅杭を設置する。工事着手の年度は現段階では未定だが、2016年度には境界立ち会いや用地測量を行い、進捗状況に合わせ用地補償交渉に入る考えだ。
熊野道路は14年度に事業化された片側1車線の自動車専用道路で、熊野大泊インターチェンジ(IC)から熊野IC(仮称)までの全長6・7`区間。このうち延長約1・2`は、熊野ICから東紀州(紀南)広域防災拠点側へとつながる緊急輸送道路となり、災害時の緊急車両専用道路となる。熊野大泊ICは国道42号、熊野ICは国道311号と連結する。
総事業費は約270億円を見込んでおり、計画では、道路全体に対してトンネルが約60%、橋梁が約15%、土工が約25%の割合となっている。トンネルは4区間で、各区間の延長は起点側から、▽約860b▽約1290b▽約1180b▽約610b。トンネルの工法については詳細設計の中で決定するが、NATM工法を採用する見通し。
橋梁は6橋を架設する計画で、各橋梁の橋長は、▽熊野宮川橋が約290b▽西郷川橋が約30b▽井戸川高架橋が約490b▽産田川橋が約40b▽国道311号跨道橋が約30b▽久生屋高架橋が約170b―となっている(橋梁名は全て仮称)。
15年度はトンネルや橋梁、土工部分の予備設計を進めており、トンネル工事全般を建設技術研究所中部支社(名古屋市中区)、土工部分と国道311号跨道橋を八千代エンジニヤリング名古屋支店(名古屋市中区)、熊野宮川橋やICのランプ橋などを大日コンサルタント名古屋支社(名古屋市中村区)、西郷川橋など4橋をエイト日本技術開発中部支社(名古屋市中区)に委託し、3月末までの設計納期で進めている。
なお、1月下旬に開催した地元説明会で示した計画平面図は熊野市役所建設課で今月29日まで閲覧できる。
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建通新聞社