宮崎建設通信社
2016/02/16
【宮崎】投資的経費は前年比で微増 県の28年度当初予算
宮崎県は12日、一般会計予算額を5820億7200万円とする平成28年度当初予算案の概要を発表した。普通建設事業費や補助費等が増加したことなどを背景に、前年度(当初は骨格編成だったため6月補正後の合計額、以下同)と比較して、実質42億2000万円(0.7%)の増額となる。一方、普通建設事業費と災害復旧事業費で構成する投資的経費は1039億2211万円。特別枠として公共事業費に45億円が追加されたことから、前年度比で10億7923万円(1.0%)の増額となった。
平成28年度の予算編成では、第四期財政改革推進計画を着実に実行しながら、選択と集中の理念の下、人口減少問題や地域経済の活性化、県民の安全・安心の確保などの課題に的確に対応する施策の積極的な推進を図る「躍動する『みやざき新時代』予算」として編成を行った。
平成28年度当初予算案の一般会計予算額は5820億7200万円。前年度の予算額は6978億5200万円だったが、口蹄疫対策転貸債や中小企業復興支援資金貸付金債(合計1200億円)を除く実質額は5778億5200万円となるため、前年度比で42億2000万円(0.7%)の増額となり、実質的に3年連続で増加した。
また、特別会計(14会計)は公債管理特別会計の減や就農支援資金特別会計の廃止等により1135億5312万円(対前年度比119億0939万円、9.5%減)、公営企業会計(4会計)は、電気事業会計や工業用水道事業会計の減少等により442億8468万円(前年度比17億4672万円、3.8%減)となった。
一般会計の歳出予算を性質別に見ると、公債費が減少する一方で人件費や扶助費が増大した義務的経費は前年度比0.4%増の2529億8399万円。普通建設事業費と災害復旧事業費で構成する投資的経費は、国庫補助事業の増額等に伴い、前年度比1%増の1039億2211万円となった。地方消費税交付金や社会保障関係費が増大したその他一般行政経費は、対前年度比1%増の2251億6589万円。
投資的経費の内訳は、普通建設事業費が885億4699万円(対前年度比1.2%増)、災害復旧事業費が153億7512万円(増減無し)。普通建設事業費の内訳は▽補助事業=599億6858万円(同10.1%増)▽単独事業=178億6211万円(同8.1%減)▽直轄事業負担金=107億1629万円(同21%減)―となる。
当初予算案に於ける主な建設関連事業では、防災拠点庁舎の実施設計等に1億8778万円、動物愛護センター共同設置事業に2億9266万円、県営住宅建設事業に8億0884万円、県立学校老朽化対策事業に7億1664万円、えびの警察署庁舎建設整備事業に5289万円、県立宮崎病院改築事業に1億2193万円を充てる。
このほか、山地治山事業に23億3255万円、道整備交付金事業に16億0636万円、県営畑地帯総合整備事業に19億3149万円、公共農地防災事業に13億3380万円、水産基盤整備事業に21億6643万円、公共道路新設改良事業に117億5688万円、公共道路維持事業に57億4434万円、公共河川事業に47億4015万円、水力発電所等施設整備に10億0881万円を計上している。
■特別枠に64億円、公共事業など追加措置
平成28年度当初予算案では、「日本のひなた」として輝く地方創生のトップランナーを目指して展開する地域活性化の取り組みや、県民の安全・安心の確保に向けた取り組みを積極的に推進するため、前年に引き続き「特別枠」を設け、公共事業の追加費45億円(補助・交付金20億円、県単独25億円)を含む総額64億円を措置している。
公共事業以外では、地方創生の推進をはじめとする地域活性化の取り組みを重点的に展開するため、公営企業会計の地方振興積立金を活用して「県営電気事業みやざき創生基金」を設置。28年度から30年度にかけて毎年度10億円を積み立て、地方創生推進事業や地域振興事業(畜産新生)、スポーツ施設整備事業、「みやざき新時代」へのチャレンジに向けた取り組みに充てる。
このほか、防災・減災対策の加速化を図るため、大規模災害対策基金に8.1億円を積み立て、▽自助・共助による減災力強化総合啓発事業(事業費2900万円)▽建築物耐震化促進事業(同1億6300万円)▽県庁舎BCP対策事業(同2億7100万円)▽南海トラフ地震応急対策強化事業(同6700万円)▽消防体制強化支援事業(同3500万円)―などの事業に取り組む。