北陸建設界の担い手確保・育成推進協議会の新潟県部会(部会長・今野和則北陸地方整備局地方事業評価管理官)がこのほど開かれ、15年度の取り組みと16年度の活動予定が報告された。
15年度の各機関の活動数は842件。そのうちの約2割に上る212件が他者との連携・合同で行われた。対象別では、建設系の学生対象が121件に対し、一般団体が369件、中学校・小学校・園児・親子が283件、建設系以外の大学・高校が69件と建設系以外が約8割を占めた。
一般団体を除く取り組み別を見ると、現場見学が338件と最も多く、講師派遣が83件、その他が52件だった。15年度のインターンシップ受け入れは全体で240人。建設系の高校は143人と最多で、次いで建設系の大学が49人、建設系以外の大学が21人、工業高等専門学校が18人。
新潟大学は、工学部建設学科1年生対象講義「社会基盤工学概論」における「社会基盤工学分野で働く女性技術者による座談会」を開き、大学出身の女性技術者4人から、土木・建設への情熱を語ってもらい、充実した成果を強調した。長岡工業高等専門学校は地域産業界と連携して、課題抽出力、課題解決力を備えた地産地消型人材を育成するアウトプット型の教育プログラムであるJSCOOPの取り組みを紹介した。
新潟工業高校では、インターンシップ、ものづくり技能・技術の伝承事業、課題研究、実技指導会、工場見学など実施。土木科の就職希望者27人中、公務員合わせて26人が建設系に就職したことを報告した。16年度は、インターンシップの2週間研修や測量士補の資格、2級土木施工管理技士の講師派遣などで協力を求めた。新発田南高校は、キャリア教育を修学旅行に持っていく考えを示し、その中で職場体験や工場・研究機関を見学し、働いている現場の人を見ることを提案した。
県教育庁高等学校教育課は、過去最高の2485人が参加した県立専門高校メッセで、中学生の97・4%が「参考になった」「やや参考になった」、高校生の99・4%が自校の魅力や特色を「再認識できた」「やや再認識できた」などと回答したアンケート結果を説明。16年度は8月23日に朱鷺メッセでの開催を計画している。
建設コンサルタンツ協会北陸支部は、乗船体験の現場見学会を重点に、15年度の取り組みを継続。日本建設業連合会も、15年度と同様に継続して親子見学会を開催し、新潟大学を対象にした現場見学会のほか、富山、石川方面も検討する。塩沢商工高校からの依頼で地質調査に協力。小学校の出前講座も予定している。新潟県建設業協会は、2級土木施工管理技士の学科試験準備対策講習会を試行的に実施していく。また、5校以上で小学生を対象とした大河津資料館など現場見学会を実施する。日本道路建設業協会北陸支部は、16年度も引き続きインターンシップの取り組みを充実していく予定。
新潟労働局は、建設分野での雇用改善に向け、労働条件・職務内容の見直し、人材育成制度の充実に取り組んでいることや、雇用管理アドバイザーによる訪問指導やセミナーなどの支援策を紹介した。