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日本工業経済新聞社(茨城)
2016/02/06

【茨城】新たな茨城農業改革大綱の答申案に基盤整備や長寿命化など盛り込む

 2015年度第3回の県農政審議会(会長・加倉井豊邦県農業協同組合中央会会長)がこのほど県議会議事堂中会議室で開かれ、「新たな茨城農業改革大綱答申(案)」が示された。このうちハード関係では、水田や畑地の基盤整備事業推進や老朽化の進む農業水利施設の長寿命化、機場・排水路整備などが盛り込まれた。
 大綱答申案における改革の基本方向には「人と産地が輝く、信頼の『いばらきブランド』〜消費者のベストパートナー茨城農業〜」を掲げ、総合指標として、20年の農業算出額4400億円を目標に設定。TPP協定への対応、重点的取り組みの推進、地域別の産地ビジョン、分野別の施策展開を盛り込んだ。改革の推進期間は16〜20年度までの5年。
 分野別の施策展開では、「安全・安心への対応と生産を支える基盤づくり」に水田・畑地の基盤整備を明示。低コストで生産性の高い水田の基盤づくりに向けて、基盤整備事業によるほ場の大区画化を進めるとともに、農地中間管理事業などを活用し、担い手への農地の集積・集約化を推進する。また用水のパイプライン化などにより水管理の省力化を図るとともに、水田の汎用化を進める。
 畑地では、区画整理や担い手の経営戦略に合わせた簡易な畑地整備などを進めるとともに、農地中間管理事業などを活用し農地の集積・集約化を推進。畑地かんがいや排水施設の整備も進めていく。
 また老朽化が進む農業水利施設の機能診断や長寿命化計画の策定、長寿命化対策工事や施設の更新・補修を計画的に進める。施設の突発的な機能停止を防ぐため、老朽化が進む施設の監視を強化徹底するとともに、これらに対応できる人材の育成を図る。
 農村地域の強靭化に向けた防災・減災対策としては、農地の冠水被害軽減へ排水機場や排水路などの整備を進めるとともに、災害発生時に的確に対応できる人材の育成や体制整備を進める。
 また、ため池の有する防災機能を発揮するためには、老朽化したため池の改修やハザードマップの作成、保全管理体制の整備など、ハードとソフトが一体となった取り組みを推進する。
 20年度のにおける農地基盤面積の数値目標には、水田が6万5000 ha(14年現在6万4271 ha)、畑が1万8600 ha(14年現在1万8102 ha)を掲げた。
 このほか、魅力ある農村の創生に向けた取り組みとして、空き家や廃校などを活用した農家民宿や農家レストランといった都市農村交流拠点整備に向けた支援や農業集落排水施設の整備・接続に向けた取り組みを推進していく。
 県農政審議会は、今回の審議を踏まえて、2月17日に県に対し新たな茨城農業改革大綱を答申する。