秋田県下水道課は、県北の生活排水処理汚泥を集約処理する広域汚泥処理施設の建設で、新年度当初予算案に建設工事費の3カ年債務負担行為45億円(平成29〜31年度)、維持管理費の20カ年債務負担行為40億円(同32〜51年度)を提案した。いずれも予定額としている。設計・施工一括発注(デザインビルド)を採用する予定で、新年度に入ってから可能な限り早期に公募したい考え。現在は日本下水道事業団に基本設計業務を委託し進めており、公募に参加する企業の基準や要件などを詰めている。
事業には鹿角市、小坂町、大館市、能代市、八峰町、藤里町、能代山本広域市町村圏組合が参画。整備では米代川流域下水道・大館処理センター敷地内に汚泥燃料化施設や汚泥受入貯留施設を建設する。新施設の処理能力は一日あたり40tとしていたが、現在は計画を精査中で、規模が変更となる可能性もある。
建設の経費は国費を除いた額を県と関連団体とで2分の1ずつ負担。関連団体の負担額は想定汚泥量比(供用開始後20年間に想定される処理汚泥量比)で按分する。
維持管理費の対象額は県起債元利償還金と施設維持管理費とし、維持管理費は全額を関連団体の負担とする。関連団体の負担額は実績汚泥量比(年度ごとの実績処理汚泥量比)で按分する。
事業は県と市町村協働のアクションプランとして策定した「あきた循環のみず推進計画」の一環で、県北地区でそれぞれが処理している下水道や農業集落排水、浄化槽、汲取し尿などの汚泥処理を一体的にカバーするもの。下水道やし尿処理など異なる事業間で、県を含め8団体という規模で3つの広域行政圏にまたがる共同事業は、同分野において全国初の取り組みとなる。
提供:秋田建設工業新聞社