北陸新幹線金沢開業からまもなく1年を迎えようとしている中、開業効果を引き続き維持し、街なかの魅力を高めようという動きが出てきた。北陸を代表する若者たちのファッションストリート・竪町商店街で、ホテル建設が浮上した。
計画しているのは旅行者向けサービス事業を展開しているスラックタイド(金沢市八日市3丁目549番地、細川博史代表取締役)。ホテルの名称は「(仮称)竪町アートビレッジ」で、場所は同市竪町41番および里見町42番5ほかの竪町商店街の広場「タテマチハーバー」の敷地538・61平方メートル。ここにS造地下1階、地上9階建て延べ1475・29平方メートル(建築面積205・81平方メートル)のホテルを建設する。客室数はシングル14室、ツイン24室の計38室となっている。
ホテル前面には商店街との回遊性、賑わい創出を図るデッキテラスを設けるとともに、ホテル入り口へのアプローチには起伏を付けなどドラマチックに演出し、開放的なラウンジからロングカウンターのあるフロントが宿泊客を出迎える。
現在、VΛΝ建築事務所(金沢市高畠)で設計が進められており、3月末には完了するもようだ。4月初旬には施工者選定に入り、6月中旬の着工、17年1月末の完成を目指していく。
ホテルのコンセプトとしては街なかと商店街の賑わいと魅力を呼び戻す「再生と新生」をはじめ、既存の商店街のアーケードと連続するホテルの庇に緑を配し、水盤に映る日差しのゆらぎを対比させた「水と緑」などを掲げる。外観は和三盆の白、吉岡憲法染の黒をメインに、銅色や木目を配し、落ち着きと感性豊かな景観創出をイメージする。
2階以上の各フロアには若手作家の作品を展示するほか、9階のせり出した展望デッキからは竪町ストリートが一望できるなど、ホテル内で現代アートを感じながら街なかの魅力を満喫できるホテルになる。