JSCA長崎と県鉄構工業会が懇談会 (一社)日本建築構造技術者協会九州支部長崎地区会〔陣川好会長(旧設計事務所)、JSCA長崎〕と(協)長崎県鉄構工業会〔相良兼一理事長(兜ス和鐵工所)〕は2月4日、ANAクラウンプラザ長崎グラバーヒルで第2回懇談会を開いた。
構造設計者とファブリケーター(製造者)が直接意見を交わし、課題の洗い出しと解決を図ってスムーズな設計・施工につなげることを目指したもので、昨年度から実施。今回は初会合での意見を踏まえ、より掘り下げた議論を交わすことを目的に行われた。
開会にあたり、陣川会長は「昨年行った初の懇談会は、我々構造設計者にとって意識改革につながる貴重な機会となった。今回の意見交換を含め、今後は現場に生かし、品質の向上・コスト削減に努めていきたい」と話し、現在作成中の設計図標準仕様書に反映させていく姿勢を見せ、相良理事長も「時間の許す限り活発に意見を交わし、県鉄構工業会としても勉強させていただきたい」と意気込みを語った。
続いて県鉄構工業会の岩永洋尚副理事長(岩永工業梶jが議題について説明。岩永副理事長が研究機関の選定や仕様の確定など、課題解決の方法にまで踏み込んだ議論を求めた後、両団体混在で4グループに分かれ意見交換を開始。実際の設計図やホワイトボードを活用するグループ、発言に対し身を乗り出しつつ耳を傾けるグループなど、活発に議論が交わされていた。
1時間ほどの議論を経て、グループごとの意見内容を発表。工程管理で重要な資材納期の確認方法、ファブで加工しやすい構造の確認、設計書への詳細な塗装表記の要求など様々な議論結果が挙げられた。実際の現場においてファブが直接設計に質問できる体制は少なく、そのために製作が進まない問題について、設計・施工・製作が一堂に会して話す機会が設けられるよう求める意見もあった。今回挙げられた意見は今後、県鉄構工業会が集約、会員らに提示するとともに、設計図標準仕様書の作成に生かしていく方針だ。
最後にJSCA長崎の鰐口昭二氏(鰍oAL構造)が閉会あいさつに立ち、「今回の懇談会で、まださまざまな問題があることを実感した。これからも続けて意見交換の機会を設けていきたい」と、総評と共に締めくくった。