蒲郡市は、既設の公共施設について、将来の財政状況や社会情勢を考慮して、公共施設をあるべき姿へ再編していくために、「公共施設マネジメント基本方針」(案)をまとめた。同基本計画案について3月1日までに、パブリックコメントとして意見を求める。2016年度以降に実施計画を策定し、具体的な施設整備事業を実施していく。
市の公共施設の保有状況は、13年度末時点で総施設数251施設で、延べ床面積37万2425平方b。用途別では、学校教育施設が延べ床面積13万8216平方bで全体の37・1%を占め、次いで保健・福祉施設が多くなっている。
築年数をみると、築30年を超える施設は学校教育施設が84・8%と突出しており、施設全体では61・5%。市は、老朽化対策による大規模修繕や建て替えにより、多くのコストが掛かることを想定している。
施設の維持更新に対する将来費用として、耐用年数を標準シナリオの60年、長寿命化シナリオの80年の2パターンで設定。標準シナリオでは、50年間で約1801億円、長寿命化シナリオでは、50年間で約1323億円を見込むとしている。
標準シナリオでは建て替え周期を60年と設定したほか、修繕周期を15年、改修周期を30年として、年平均費用を約36億円と試算。一方、長寿命化シナリオでは建て替え周期を80年、修繕周期を20年、改修周期を40年と設定、年平均費用を約26・5億円と試算した。標準シナリオと比較して約9・5億円の費用削減が可能としているものの、最近6カ年度の平均経費約18・6億円を上回っており、費用の増加が懸念される。
このため、将来的に公共施設の維持管理による財政負担の増大や、人口減少に伴う余剰施設の発生、高齢化に伴う公共施設の利用ニーズの変化などを踏まえて、市では再編や用途の転用を含めて検討する必要があると判断した。
16年度以降に策定する実施計画(仮称)において、具体的に公共施設の再配置をまとめ、施設整備事業を実施していく予定だ。
パブリックコメントは総務部財務課で、直接持参、郵送、ファクス、メールで受け付ける。
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建通新聞社