県は4日、2016年度当初予算案を発表した。一般会計は1兆7139億円で、前年度に比べ0・3%増となった。一般会計の投資的経費は同10・6%減の1499億2800万円。主要事業では、消防学校・防災研修センター整備事業に継続費118億7300万円を設定したほか、新規に幕張メッセ大規模改修事業に着手。新年度から15か年で総事業費160億円を投入し施設・設備を更新する。
一般会計の投資的経費のうち、普通建設事業費は前年度比7・8%減の1261億8500万円。内訳は、補助事業が同1・2%増の785億6900万円、単独事業が同19・6%減の476億1600万円。補助事業は、保育所整備に係る助成の一部が国から市町村へ直接補助されるため大幅に減額となる一方、河川海岸津波対策事業や道路ネットワーク事業の増加により約9億円の増額となった。単独事業は、衛生研究所や消防学校・防災研修センターの建築工事着手による増要素があるものの、県立学校の耐震改修工事が概ね終了となることや、特別養護老人ホーム建設事業の予算計上による年度割の変更などで、約116億円の減額となった。
新予算は、@県内経済の活性化A農林水産業の振興と社会基盤づくりBくらしの安全・安心の確立C子ども・子育て世代への支援の充実D医療・福祉の充実E環境・文化施策の推進――に重点的に配分。国の補正予算を積極的に活用し、15年度2月補正予算と一体で切れ目のないものとし、地方創生の加速化などに取り組むこととした。また、徹底した事務事業の見直しや県税収入対策の充実・強化などの歳入確保に取り組み、持続可能な財政構造の確立をめざす。
施策別の歳出内訳は、県内経済の活性化2027億5200万円、農林水産業の振興と社会基盤づくり954億700万円、くらしの安全・安心の確立382億9200万円、子ども・子育て世代への支援の充実613億8900万円、医療・福祉の充実243億3200万円、環境・文化施策の推進47億5800万円。
主要事業では、消防学校・防災研修センター整備事業、総合スポーツセンターの武道館空調設備等整備事業、野球場耐震・大規模改修事業、農林総合研究センター再編整備事業などを予定。
消防学校・防災研修センター整備事業では、3か年継続費118億7300万円を設定。16〜18年度の3か年で整備し、19年度の供用開始を目指す。建設場所は市原市菊間地先。建物は延べ約1万6200u。実施設計は梓設計が担当。
総合スポーツセンターの武道館空調設備等には4億2500万円を計上し、1期工事に着工する。設計は千都建築設計事務所が担当。野球場耐震・大規模改修は債務負担行為5500万円を設定し、実施設計に入る。基本設計は今月26日に簡易公募型入札が開札となる。
農林総合研究センター再編整備事業は、6985万円の事業費で実施設計と測量を実施する予定。基本設計は本年度、安井建築設計事務所に委託。建物規模はRC造2階建て延べ約5500u。17年度に着工し、19年度の供用開始を目指す。
このほか、県立施設トイレ改修事業2億4992万円、道路ネットワーク事業606億847万円、道路施設点検事業6億6200万円、特別支援学校整備事業12億5780万円など。
一方、新規事業では、幕張メッセ大規模改修事業、洪水高潮浸水想定区域図作成事業、医学部設置支援事業、救急医療センター等整備基本計画策定事業などを予定。
幕張メッセは、競争力強化のため、16〜30年度の15年間で総事業費約160億円を投入し大規模改修を実施する。新年度は事業費7160万円(ほかに債務2億9900万円)で高圧受変電設備・高圧発電設備の更新等の設計を行う。
救急医療センター等整備基本計画等策定事業は、これまでの検討結果を踏まえ、精神科医療センターの一体的整備の施設規模や病床規模を検討し、基本計画を策定する。