建通新聞社(神奈川)
2016/02/05
【神奈川】15年度神奈川県県土整備局 工事系委託の総合評価 技術点1位が100%落札
神奈川県県土整備局は、総合評価方式を導入した工事系委託案件の一般競争入札について、2015年度(12月末まで)の実施状況と落札傾向についてまとめ、県土整備局総合評価審査委員会(委員長・勝地弘横浜国立大学教授)に示した。実施件数は20件(簡易型3件、特別簡易型17件)。このうち競争となったのは17件で、技術点1位の企業が落札した割合は100%だった。14年度、13年度に比べるとこの割合は高くなっている。
20件の落札結果を見ると、「有効入札1者」が2件、「不調及び中止」が1件。これを除く17件が競争となり、「入札最安で技術点1位」が12件。入札金額に対する「逆転落札(技術点1位)」が5件あり、合計で100%が技術点1位の落札となった。
14年度全体で技術点1位の企業が落札する割合が81%、15年度全体で95%だったのに比べると技術点1位の落札実績が上昇した。
技術点と入札金額の比較では、20件のうち入札価格が最安札だったのは12件。2番札が3件で、3番札1件、5番札1件。最安札の企業が落札した割合は70%。
逆転落札5件の逆転落札の金額差(落札額−最安入札額、税抜き)は、全て0〜1万円。
これらを総合し、同局では、「県では、積算歩掛・設計単価・諸条件などを公表していることから、ほとんどの企業は設計金額を正確に算出でき、最低制限価格付近に入札が集中している。逆転入札の金額差もわずかなものになっている」と分析する。
12月末までの総合評価方式の落札結果で、有効入札の評価における加点傾向を見ると、「過去の同種工事の施工実績」により加点されている有効入札が73・2%。この他、▽「地域精通度」66・1%▽「過去3年間の業務成績評点の平均点」57・1%▽「ISO9001の認証取得」80・4%▽「配置予定管理技術者の取得資格」94・6%▽「配置予定管理技術者の過去の同種業務実績」62・5%▽「配置予定管理技術者の過去3年間の工事成績評定点実績」39・3%▽「配置予定管理技術者の手持ち業務数」85・7%▽「配置予定担当技術者の取得資格」80・4%▽「配置予定担当技術者の過去の同種業務実績」55・4%▽「配置予定担当技術者の手持ち業務数」83・9%−などとなった。
15年度から試行を開始した「企業の社会性・信頼性及び地域特性の課題(施策)への取組」への評価は83・3%と高い加点割合を示した。局は、「発注者が求める企業が入札に参加している」と考えている。
提供:建通新聞社