2月1日に開かれた国土交通省近畿地方整備局事業評価監視委員会の第4回会合で、酉島・生江の2地区(大阪市)を対象とする淀川直轄河川改修事業(淀川高規格堤防整備事業)について、事業継続が妥当と判断された。これを受け近畿地方整備局は約17億円を投じ、2016年度から盛り土や地盤改良に着手する方針だ。
高規格堤防はいわゆるスーパー堤防。酉島地区は大阪市此花区で、淀川の河口から約1・6`上流の左岸側に位置し、2期整備が予定される。堤防面積は約0・6f(延長107b、幅60b)。事業進捗は、現地に残る市営酉島住宅9・10号館の建て替え待ちとなっていた。ようやく市側のスケジュールが固まり、歩調を合わせスーパー堤防の整備を始める。事業費は約10億円。
今後は、16年度に市が市営住宅の既存住棟を解体撤去し、引き続き、近畿地方整備局が地盤改良・盛り土各3万4000立方bに着手。18年度末までに上面整備までを完了させる。市営住宅の新住棟は19年度から市が建設を進める。
生江地区は河口から上流約12`(大阪市旭区)に位置する、城北公園下流側の敷地約1・5fをスーパー堤防として整備する計画。現地は更地になっており、16〜17年度の2カ年で地盤改良約5000立方b、盛り土約7万9000立方b、上面整備を行う。事業費は約7億円。堤防上面は公園として、18年度から市が整備し、城北公園と一体的に広域避難所に活用する。
事業実施に当たっては、盛り土材として、他事業で発生する掘削土(建設発生土)を利用し、コスト縮減を図る。
今回の会合では他に、木津川水系直轄砂防事業の事業継続が妥当と判断された。奈良、三重両県境の木津川、名張川などが対象となる事業で、今後10年程度で約20渓流、30年間で約70渓流を整備する方針が示された。
提供:建通新聞社