品確法の発注関係事務運用指針に盛り込まれた義務事項と努力事項について、熊本県と市町村の取組状況が明らかとなった。1月29日の県議会建設常任委員会で県土木部が報告した。低入札価格調査基準価格または最低制限価格の設定・活用では、全45市町村のうち26自治体が公契連モデルを準拠(概ね90%)している。
義務事項は▽予定価格の適切な設定▽歩切りの根絶▽低入札価格調査基準または最低制限価格の設定・活用▽適切な設計変更▽発注者間の連携体制の構築。
歩切りについては、平成27年4月時点で15自治体が端数処理など設計金額と異なっていたが、8月までに全て設計金額と同一となった。27年4月時点で23自治体が公契連モデル以下だった低入・最低制限価格は、7月調査時点で新たに4自治体がモデルに準拠した。モデル以下は残り19自治体となった。
適切な設計変更で県は27年度、設計変更ガイドラインと一時中止ガイドラインを策定し、指示書に変更概算額を明示、工期短縮による経費増加も設計変更対象であることを明示した。発注者間連携体制では、県公契連や品質確保県部会で周知徹底や情報共有、意見交換に取り組んだ。
努力事項は、発注・施工時期の平準化や受注者との情報共有・協議の迅速化など。平準化で県は、予算執行と契約を工夫している。ゼロ県債を22年度の9億5100万円から毎年増やしており、27年度は前年度比33%増の30億3800万円設定するとともに、早期発注に向け国に対し4月1日付での交付決定を申請している。契約上の工夫としては、受注者の施工体制整備に配慮するため最長3カ月の余裕期間を見込んだ早期契約制度や、3月までに入札公告し4月の契約を可能とする入札契約制度を導入している。
受注者との情報共有・協議迅速化に向け県は、ワンデーレスポンスと三者協議会に取り組んでおり、27年度に三者協議対象を簡易なものを除く全工事に拡大するとともに、地質調査業者も対象に加えた。
提供:
西日本建設新聞社