大阪市は、約1万7000戸の老朽住宅の建て替えなど、今後10年間の市営住宅ストック総合活用計画案をまとめた。建て替えでは、集約建て替えにより生じる余剰地の民間売却なども実施し、民間住宅や生活・福祉・居住関連サービス施設導入を図る方針だ。
基本目標には、@耐震性の確保A居住水準の向上(バリアフリー化、浴室の確保)B長寿命化Cコミュニティの再生D地域まちづくりへの貢献―を掲げる。
活用手法では、建て替え、耐震改修、全面的改善、エレベーター単独設置、継続活用に分け、建て替え以外の案件は外壁・防水改修や、給排水管改修などの計画改修を定期的に実施する。
各活用手法の実施方針では、建て替えについては計画期間内におおむね7割の住宅建て替えの事業着手を目指すとしている。耐震改修は対象住棟全てについて事業着手する。
浴室設置などの全面的改善は、構造や住戸面積を見ながら1戸内の改修または2戸1改修を実施。全戸の事業着手を予定している。
エレベーター棟設置は、地元要望がまとまった住棟全てを対象に事業に着手する考え。
計画改修の実施戸数は、外壁改修(全面改修約5万4000戸、部分改修約4万4000戸)、防水改修約4万4000戸、給水管改修約2万6000戸、排水管改修約5800戸、分電盤改修約3万1000戸、エレベーター制御機器改修約370基、火災報知機改修約1万7000戸を見込む。
建て替え整備に当たり、集約建て替え時の余剰地売却以外のPPP・PFIなどの公民連携手法の導入を念頭に置いているかを担当者に尋ねたところ、「この計画案では考慮していない」と回答。ただ、将来的に検討するかどうかについては否定しないと説明した。
提供:建通新聞社