北海道建設新聞社
2016/02/02
【北海道】札幌市が16年度予算案を発表−建設費は17%増1880億円
札幌市は1日、2016年度予算案の概要を発表した。一般会計は前年度肉付け補正後比3.9%増の9365億5000万円を計上。総事業費に100億円以上を見積もる屯田茨戸通の着工費をはじめ、市営住宅で東雁来団地3号棟40戸の新築費や光星団地住戸改善174戸の改修費を盛り込んだ。新規では、老朽化が進む中央区役所庁舎の建て替えに向け、調査検討に乗り出す。民間再開発事業では、16―17年度に着工を控える南2西3南西地区など4地区の実施設計費や着工費などの補助として総額60億円余りを充てる。
全会計総額は前年度肉付け補正後比1.8%増の1兆6010億6010万円。一般会計のほかは特別会計が0.6%減の3894億9810万円、企業会計が2.0%減の2750億1200万円となっている。
秋元克広市長最初の本格編成予算で、一般会計は子ども子育て支援新制度関連などの扶助費増加や再開発事業補助などで過去最大規模に膨らんだ。新規では、前年度肉付け補正後より31事業多い104事業を組み込んだ。
一般会計と特別、企業会計を含めた全会計の建設費は17.3%増の1880億円。このうち一般会計に占める普通建設事業費は27.5%増の1292億円を確保。一般会計と特別会計合わせた工事請負費は6.4%増の608億8200万円に上っている。内訳は一般会計が7.1%増の599億6900万円、特別会計が25.9%減の9億1300万円。
道路・街路、河川、公園の社会基盤整備費には9.7%増の390億1400万円を計上した。内訳は生活道路整備が0.8%減の47億4600万円、舗装改良が11.3%増の28億5300万円、道路が7.8%増の128億1000万円、街路が14%増の120億7500万円、河川が19%増の19億8600万円、公園が11.4%増の45億4400万円という内訳だ。
社会基盤整備の主な工事を見ると、道路・街路では屯田茨戸通の初弾工事として西茨戸工区の創成川橋に着工する。16年度中の開通を目指す西野真駒内清田線こばやし峠の盤渓北ノ沢トンネル(1612m)を含む道路整備は、仕上げに向けた舗装などの工事費を計上。橋梁整備では北24条大橋新設のほか、耐震補強6橋、長寿命化33橋を計画。舗装改良は幹線と補助幹線合わせて26・7`のオーバーレイを施す。河川はモエレ中野川改修や流域貯留施設整備4カ所を予定。公園は月寒公園再整備や厚別山本公園整備などを推進する。
15年度に策定したアクションプランの重点課題ごとに主な事業を見ると、「雇用を生み出す力強い街」は、本社機能移転に対する開設費補助を新設し、企業立地を強力に促進。観光強化を図るためのMICE施設整備は、建設地や規模などを検討する。
「いつまでも安心して暮らせる街」は、広域型特別養護老人ホーム新築4施設と福祉避難所用スペースの整備補助などに約7億円を配分した。
「魅力と活力にあふれた暮らしやすい街」は、26年招致を目指す冬季五輪関連で、国際会議出席や環境アセスメントなどの予算として9700万円を計上。17年2月19―26日に開く札幌アジア冬季競技大会の事業費には、約34億円を見込む。北海道新幹線の札幌延伸を見据えた民間投資を誘導する都市整備では、地権者らと協働し札幌駅交流拠点まちづくり計画の検討に入る。真駒内地区防災拠点整備関連で南区真駒内上町5丁目の道警官舎跡地に移転する南消防署関連では、用地取得費と基本実施設計などに3億2500万円を充てた。民間建築物の耐震化促進に関しては、補助対象に百貨店・ホテルを追加するなど制度拡充を図る。
これ以外の主な事業として、東雁来団地最後となる3号棟新築や、光星団地の住戸改善をそれぞれ2カ年工事で進める。16―17年度で庁舎整備基本計画を策定する中央区役所建て替えは、予算額1700万円で建設場所の選定を含めた整備手法検討に入る。
民間再開発事業では、南2西3南西地区、北8西1地区、北3東11周辺地区、北4東6周辺地区の実施設計費や着工費などの補助を計上。苗穂駅の移転橋上化事業では、自由通路工事などに伴うJR北海道への負担金として12億円余りを盛り込んだ。
道路調査関連では豊平川通の南伸と北伸で関係機関と技術検討するほか、創成川通機能強化についても引き続き検討。円山動物園では、ゾウ舎新築と類人猿館改築の設計を進める。
学校改築は本通小、中の島小、中央中で着工。このほか、保育定員755人分の拡大を目指し、私立保育所施設整備補助などに18億円余りを措置した。
特別・企業会計を見ると、土地区画整理特別会計では東雁来第2地区土地区画整理に約27億円を投じ、道路や下水道などを整備。駐車場会計は、円山公園第1駐車場増設の設計費に2000万円を計上している。
水道企業会計のうち、白川第3送水管新設などの水道施設整備が約67億円、配水管敷設が約112億円という配分。下水道企業会計では、新川水再生プラザをはじめとする処理場など8カ所の改築更新や、ポンプ場4カ所の整備に計約93億円、管路布設には約77億円を充てる見通しだ。