鹿児島建設新聞
2016/02/02
【鹿児島】シラスの建設材料活用シンポ、600億m3の資源生かせ
鹿児島大学大学院理工学研究科内に設置する地域コトづくりセンター(武若耕司センター長)は1月29日、鹿児島市の同大学稲盛会館で「シラスの建設材料としての有効活用に関するシンポジウム」を開いた。建設業界などから100人を超える関係者が参加。県内に600億m3以上たい積するといわれるシラスを有効活用していくための方策や可能性について考えた。
初開催となったシンポジウムは、本県特有の資源であるシラスを建設材料として幅広く活用し、新たな産業創出や地域活性化につなげていくのが目的。講演では、その特性を踏まえて開発したシラスコンクリートや緑化基盤、塗り壁材、屋根瓦材などの活用事例の紹介があった。
基調講演で武若センター長は、丸尾の滝橋(霧島市)の橋脚基礎や新武岡トンネル(鹿児島市)の一次覆工にシラスコンクリートが採用された理由について触れ、「シラスはその化学組成や腐食や劣化しにくい性質から、単なる砂の代替品でなく、コンクリート品質改善の最適品になり得る」と強調。「主要骨材の海砂が採取量減を余儀なくされている状況を考えると、シラスの供給はまだまだ拡大していく必要がある」と述べた。
同日は、各種講演のほか、有識者によるパネルディスカッションなども実施。来賓で訪れた久保田一県土木部長や川畑俊彦県建設業協会長らは「公共事業に限らず、民間の建築分野でも活用が期待できる資源。今後も産官学の力を結集し、新たな価値を見いだしていきたい」と期待を寄せた。
講演団体・企業(関係分)は次の通り。
県土木部技術管理室 県コンクリート製品協同組合 日研高圧平和キドウ梶@鹿児島菱光コンクリート梶@県工業技術センター地域資源部シラス研究開発室 鹿児島市公園緑化課 高千穂シラス梶@巨」戸口瓦工場