君津地域4市(木更津市、富津市、君津市、袖ケ浦市)の火葬場共同建設に向けて、袖ケ浦市が正式に参加することになり、先月29日に4市で覚書を締結、基本合意した。今後は2021年度の供用開始を目指し、費用負担割合などについて4市で協議を進める。また、施設内容などを検討する基礎調査も実施していく。火葬炉は12炉(うち予備2炉)を予定。
共同建設に向けては、昨年9月29日付で袖ケ浦市を除く3市が基本合意に達したが、袖ケ浦市は市議会や住民への説明が必要として態度を保留。その後、同年10月の市長選で再選を果たした出口市長が参加を表明し、議会などに説明を行っていた。
これまでの3市による覚書は、@木更津市が事業主体となり実施APFI事業として実施B建設候補地は現木更津市火葬場の敷地及び隣接地C火葬場施設の供用開始は21年度をめどとするD事業費は構成市が応分に負担――などを要旨としている。これに袖ケ浦市が加わり、4市で新たに覚書を締結した。
木更津市は、老朽化する火葬場の建て替えに伴い、費用負担を軽減するために、広域での整備を計画。11年度に袖ケ浦市に共同建設を打診し協議を進めていたが、14年11月に君津市と富津市から枠組みへの参加の申し出があり、袖ケ浦市を除く3市で昨年9月29日付で覚書を締結していた。
君津市と富津市は富津聖苑(富津市前久保385)を共同運営しているが、この使用期限が18年度に切れることから対応を検討。広域での整備を目指すことになった。
袖ケ浦市は自前の火葬場がなく、火葬場建設は長年の懸案事項となっていた。ただ同市の場合、市民の8割が市原市の火葬場を利用しているなどの事情があり、議会や市民の理解を得るのに時間を要した。
また同事業では、地元自治会が市に事業の白紙撤回を求めており、今後、合意形成が大きな課題となる。先月31日には7回目の地元説明会が開催された。
建て替えの対象となる木更津市の火葬場は67年の建設で、建設後48年を経過。火葬炉は途中で更新しているが、建物は老朽化が進んでいる。火葬場の所在地は大久保840―3地先。敷地面積1万2461・05u。建物規模はRC造平屋建て延べ591・31u。施設は本館と待合場、その他で構成。本館は156・36uの規模で、火葬炉3基、ほかにホール、事務室など。待合場はRC造平屋建て336・66uで、ホールと和室2室など。そのほかに機械室、納骨堂、物置など。