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宮崎建設通信社
2016/01/29

【宮崎】本体公告は来年4月以降 防災拠点庁舎基本設計案

 宮崎県が整備を計画する防災拠点庁舎の基本設計案がまとまったことを受けて、県は28日、県議会総務政策常任委員会の場で施設の概要などを説明した。新庁舎の規模は、S造一部RC造、地上10階・地下1階、延床面積2万4050uとし、耐震性を高めるために免震構造を採用する。ことし6月末までとしていた設計業務の履行期間を11月まで延長するため、全体のスケジュールは半年程度ずれ込む見通し。29年4月以降に公告や入札等を含む契約手続きに着手し、同年10月の着工、31年9月の完成を目指す。
 基本構想で示した「防災拠点庁舎としての必要な機能の確保〜県民の生命と財産を守る庁舎〜」「庁舎としての基本的性能の確保〜人や環境にやさしい庁舎〜」の整備方針に基づき、それぞれ必要な機能・性能を備えた新庁舎を現在の外来者第一駐車場に建設する。基本構想段階における概算事業費は約115億円を見込んでいる。
 敷地南側に防災拠点庁舎を建設し、新庁舎の北西部に歴史的・景観的価値を有する5号館を曳家により移設することで、現有建物をそのままの外観で保存する。楠並木道路に面して整備する防災広場は、平常時にはイベントや憩いの場などとして活用し、災害時には自衛隊や消防等の車輌が駐車できるスペースとする。
 構造種別は、防災拠点庁舎としての耐震性を確保するとともに、長期にわたって高い耐久性を確保できる鉄骨造とする。建物の耐震性を更に高めるため、地震の揺れを大幅に抑えることができる免震構造を導入すると共に、建物の横揺れを支える部材の一部として、4〜9階にCLT(直交集成材)耐震壁を採用する。
 一方で、大規模な地震に於いても防災拠点としての機能が維持できる耐震安全性の目標を定める。国が示す「官庁施設の総合耐震・対津波計画基準」において、特に重要な防災拠点施設の目標とされている耐震安全性(構造体=T類、建築非構造部材=A類、建築設備=甲類)を確保する。
 1階〜2階はエントランスや福祉保健部の執務室等として使用。3階〜4階は危機管理防災センターの中枢部と位置付け、危機管理局の執務室や総合対策部室、災害対策本部会議室、災害時の関係機関諸室を設ける。5階〜7階は災害時の部局対策室(平常時は会議室)などとし、8階〜9階に県土整備部の執務室、10階に主機械室やサーバールーム等を配置する。このほか、地下駐車場や屋上ヘリポートも設置する。
 平面計画の基本的な考え方として、南北に執務室を配置する中廊下形式を採用し、間仕切り壁を設けないオープンオフィスにすることで、将来の組織改正や業務内容の変化等に対応する。エレベータ―や階段・トイレ等は東西2箇所に配置し、災害応急対策活動の中枢である総合対策部室や執務室は、できる限り柱のない空間を確保する。
 設備計画に関しては、災害時にライフラインが途絶した場合においても、災害応急対策活動を継続できるよう、機能維持対策を行う。また、ランニングコストの最適化を図りつつ、維持管理や機器更新の作業が容易かつ効率的に実施できる計画とする。
 今後の事業スケジュールに関しては、ことし11月までに実施設計を完了させる予定であり、29年4月以降に公告〜入札〜仮契約〜議案上程〜本契約に至る契約手続きを進める。県庁5号館の曳家移設工事は同年6月頃に着工する見通し。防災拠点庁舎の本体工事には同年10月頃に着手し、31年9月の施設完成を目指す。