鴨川市の多目的施設建設検討委員会(委員長・清水宣雄国際武道大学付属図書館長)の最終となる第4回会議が26日、市内の文化体育館で開催され、基本設計案をまとめた。今後は、来月から実施設計に入り、来年1月の着工を目指す。実施設計は千都建築設計事務所(千葉市美浜区真砂3―1―2)が担当。
現段階での概算工事費は約30億2000万円となり、計画の26億円をオーバーしている。このため実施設計の中で、事業費の縮減を検討する。工事費は9月補正予算で継続費を設定し、12月議会での契約承認を目指す。
建物規模はS造2階建て延べ6000u未満。建物高さは19・5m。観覧席は約600席を確保。駐車場16台(車椅子用3台、関係者用4台含む)と駐輪場30台分を整備。
全体の事業スケジュールは、2月から実施設計に入り、6月までに設計を完了させ、7月から確認申請の手続きに入り、17年1月に建築工事に着工、18年6月に竣工、7〜8月の準備期間を経て同年9月に供用を開始する予定。
施設の配置は、サッカー場側にメインアリーナを配置し、西側にサブアリーナを配置。メインアリーナは、体育専用施設とし、公式競技の開催が可能な屋内スポーツの利用を中心に、主に市民による日常的なスポーツの練習の場のほかに、車椅子競技などを含む、多様な競技が行える施設を目指す。競技は、バスケットコート、バレーボールコート(各2面)、ハンドボール、フットサル(各1面)、バドミントン(8面)、卓球(10面)を想定。
またサブアリーナは、体育施設にホール機能が備わった施設とする。体育施設としては、大会時の練習コート、ウォームアップ利用、または、市民の日常的なスポーツ活動を中心とした機能を備えた施設とする。ホール機能としては、固定の舞台を設置し、芸能祭や音楽会などに利用できる、中規模ホールとしての利用が可能な施設を目指す。
このほかトレーニング室、多目的室、医務室、会議室、放送室、ミーティング室、楽屋・控室、更衣室、器具庫、ホール、ランニングコース、観覧席などを配置。
トレーニング室は、市民の日常的な基礎体力の向上による予防医療など、体力・健康づくりを目的に設置し、ランニングコースと一体で利用ができるよう2階に計画。ランニングコースは、メインアリーナ2階の観覧席後方を周回するように計画。床材はひざの負担を軽減するクッション性がある防滑性塩ビシートを採用。利用者の安全確保を考慮し、コースの一部に追い越し可能な幅員を確保する。観覧席はメインアリーナ2階に配置し、各種イベントに対応しやすいよう4周とし、各面に車椅子用観覧スペースを設ける。
また多目的室は、スポーツ・文化活動の利用種目を限定せず、種目や人数に応じて利用できるよう可動間仕切りを設置し、多種多様な利用に対応できるようにし、ダンスやエアロビクスなどのスタジオプログラムを展開できる場として、壁面に鏡を設置。音楽使用の場合、音量が大きくなることが想定されるので、防音に配慮する。