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大分建設新聞社
2016/01/27

【大分】豊予海峡にトンネルを、新国土軸九州・四国トンネル建設議員連盟シンポジウムで熱い議論 

 新国土軸九州・四国トンネル建設議員連盟(衛藤征士郎会長)は25日、大分市のコンパルホールで「九州・四国トンネル建設シンポジウム」を開いた。県内の行政、建設業者、愛媛県関係者など多数が参加した。
 穴見陽一代議士が「九州が本州につながるのは、関門海峡のトンネルと橋しかない。第2国土軸の必然性をしっかり証明し、九・四トンネル実現に向けて、大きな一歩を踏み出そう」、礒崎陽輔参議が「北海道、北陸新幹線の整備が終わる見通しが立ち、次の新幹線をどこでやるのか議論しなければならない。ファイナンスの問題もあるが、新幹線整備は法律で決まっている」とあいさつ。
 北本政行国交省国土政策局官房審議官が「日本の国土政策について」と題し、昭和37年に始まった「全国総合開発計画」から27年8月14日に閣議決定された「新たな国土形成計画」までの流れなどを説明。
 服部修一鉄道建設・運輸施設整備支援機構理事が「四国新幹線(豊予海峡付近)調査報告書」について説明。四国新幹線整備に向けての経緯や調査内容を解説した。その中で、服部理事は@四国新幹線は起点が大阪市、終点が大分市で主経由地は徳島市付近・高松市付近・松山市付近Aトンネルは最深部で海面下335bB豊予海峡トンネルの延長は52`C大分県は大在辺りから関崎灯台辺りまで陸上部17・3`、愛媛県側が佐田岬辺りから陸上部20・8`、海底部は13・9`D昭和63年当時の調査報告書では、九・四トンネルの工期は約10年(精査必要)E青函トンネルは延長約53`、青森県側陸上部約13`、津軽海峡海底部約23`、北海道側が陸上部17`で、調査斜坑掘削から開通まで約24年―などと報告。
 衛藤会長をコーディネーターに服部理事、佐藤樹一郎大分市長、廣瀬祐宏県企画振興部長、愛媛県関係者らがパネルディスカッション。廣瀬部長が「東九州自動車道開通後を踏まえ、大分県のこれからをどう描くかが重要。県では27年に改訂した県の長期総合計画で九州の東玄関口としての拠点化を掲げた。四国との人の流れを太くするため、まずはフェリーなどでの交流を推進する」、門田康広愛媛県企画振興部長が「26年冬、山陽自動車道が通行規制になったとき、八幡浜〜別府・臼杵間のフェリーが大活躍した。まさに第2国土軸の部分で、地域の振興だけでなく、日本全体でみても災害時の代替機能として重要」、佐藤市長が「西日本国土軸、太平洋新国土軸が交わっているのが大分だ。自動車道はかなり整備されたが、交通インフラ全体でみると、まだ整備不足。地方創生の大きなプロジェクトとして取り組んでいただきたい」、衛藤会長が「リニア新幹線が大阪まで延び、九・四トンネルができると、大分から東京まで約2時間半ぐらいで行ける」などと熱く議論。
 豊予海峡ルートは、太平洋新国土軸構想の一部に位置付けられ、7年から大分、愛媛両県が架橋調査をし、架橋可能という結論が出ていたが、衛藤会長によると、当時と比べ、地球温暖化などの影響で想定外の強風が吹く、南海トラフ巨大地震発生が現実味を帯びる、伊方原発のトラブル発生時の住民避難などを考慮し、同議連は海底トンネル推進で活動することになったという。

提供:大分建設新聞社