大阪府は、森林防災対策事業と持続的な森づくり・木材利用推進事業を2016年度から新たにスタートする計画だ。4月1日から創設する森林環境税を財源とする事業で、初年度の事業費は約9億6900万円が見込まれる。
危険渓流の流木対策、主要道路沿いの倒木対策を実施するほか、健全な森林を次世代につなぐ取り組みを実施する。
危険渓流の流木対策では、工事費に2億9200万円を見込む。これまで保安林指定がないと実施できなかった治山事業とは別に、保安林指定がない箇所での治山ダム設置や渓谷の倒木・老朽木伐採などを行う。池田市、東大阪市、八尾市、岸和田市などの15市町村の全体30カ所で、16年度はそのうち8カ所での対策を見込む。
荒廃森林倒木対策は、委託費に2億4830万円を計画。主要道路沿いの倒木対策で、ナラ枯れ被害拡大を防ぐ予防的伐採や放置竹林の整備を実施。対象路線は全体20路線で、国道173号、同168号、同25号など25市町村。16年度は11路線を予定。
両対策とも、地元調整が済んだ箇所から対策を実施する見通し。
持続的な森づくりは、集約化などが見込める地区を対象とする基盤整備補助、保育園・幼稚園の内装木質化への補助を充実させる計画。16年度事業費は4億1675万円を見込む。
基盤整備対象地区は、高槻市、千早赤阪村、河内長野市、和泉市など9市町村、全体34地区。基幹的作業道設置や集積土場の設置、間伐材の利用促進などで16年度は10地区を見込む。補助対象は、森林組合や各自治体で構成する林業事業体。同事業体による事業計画の策定、事業実施などが条件となる見通し。
内装木質化の充実は、これまで寄付金を募り実施してきた子育て施設木のぬくもり推進事業を拡充。従来の補助上限80万円を、補助率2分の1、上限額250万円へ引き上げる考え。
森林環境税は、個人府民税均等割の超過課税で、期間は16〜19年度、年額300円。全体事業費は4年間で約45億円を概算している。
提供:建通新聞社