日本工業経済新聞社(山梨)
2016/01/25
【山梨】ジョグコースや動物園再整備 山梨市のミズベリング構想たたき台
山梨市は、市内を流れる笛吹川の松林を保全するとともに、ジョギングコースやパラグライダーの着陸地点を整備し、水辺に親しむ環境づくりに着手する。このほど国土交通省が提唱するミズベリングの懇談会を開き、市側は構想のたたき台を示した。
対象となる箇所は亀甲橋から根津橋までのおよそ1・3qの区間で、歴史的には治水施設として名高い万力林が現存する。市側の説明によると林は赤松が主体となっており、1995年の段階では1258本が確認されたものの、昨年の調査では464本に激減。ボランティア団体の赤松保存会では苗木の植樹を行うなどの活動を行っているが、松林再生が事業の大きな命題のひとつとなっている。
19日に開催した懇談会で配布された構想のたたき台には、市職員から出された意見として、河川敷に小楢山から飛び立つパラグライダーの着陸地点(ランディングポイント)や周囲を回るウォーキング・ジョギングコース、花火見物席、ビオトープなどの整備が示されている。また、区域内にある万力動物園の再整備も構想に挙がっている。
懇談会の冒頭、望月清賢市長は「笛吹川の水辺を有効活用し、賑わいを創出する」とあいさつ。国土交通省甲府河川国道事務所の田中克直所長はミズベリングプロジェクトについて説明を行い、続いて、山梨大学の砂田憲吾名誉教授が歴史的治水施設である万力林を解説した。
後半には出演者、来場者を問わず各自の意見を出し合い、官民協働による水辺活性化の気運を高めていった。
今後は、庁内でたたき台を基に構想を練り上げていくとしており、なるべく早い時期にまとめたい考え。ただ、本年度にパラグライダーの試し飛行を行っており、ライディングポイント整備に関しては、来年度に予算付けを行う旨を望月市長が明かしている。
【写真@19日に行われた懇談会。約100人が来場したA根津橋から上流方面を臨む。正面に万力林が広がるB市職員から意見聴取して作成した構想のたたき台の主な内容】