建通新聞社(神奈川)
2016/01/22
【神奈川】東京商工リサーチ横浜支店 2015年の神奈川県企業の倒産状況 建設業は微減 全体は16・1%減
東京商工リサーチ横浜支店は、2015年(15年1〜12月)の神奈川県企業の倒産状況(負債総額1000万円以上)をまとめた。件数は前年比95件(16・1%)減の494件。負債総額は622億0100万円で、前年比7・1%の増となった。件数は1992年以来の500件割れ。平成に入って5番目の低水準。負債総額は前年に比べ41億0300万円増加したが、平成に入って4番目の低水準。建設業は件数で4・6%減にとどまり、負債総額では2・6%増加した。全国建設業の倒産件数が13・3%減となった中で、県内建設業の状況が引き続き厳しいことをうかがわせる。
業種別では、建設業が124件で構成比25・1%と最も多かった。前年は、消費増税後の消費低迷などでサービス・他が最も倒産の多い業種だったが、再び建設業が最多となった。しかし、前年からは6件(4・6%)減少しており、住宅着工の回復など量的改善が倒産の抑制につなかったといえる。ただし、負債総額は126億2600万円で前年比2・6%増加。やや倒産規模が大型化している。
建設業に次いで多いのはサービス業・他で111件(構成比22・5%)。前年に比べると33件(222・9%)減少している。負債総額も26・9%の減。業種別件数で唯一前年に比べ増加したのは情報通信業の33件で1件増加した。不動産業は14件で前年度より9件、39・1%の大幅減となった。
負債総額では建設業の他、製造業、金融・保険業、情報通信業が前年に比べ増加となった。
全体で10億円以上の大型倒産が8件発生。前年度上期より4件の倍増となった。半分が製造業でうち3件が業歴30年以上の企業。
地域別で件数を見ると、政令指定都市の横浜市が236件、川崎市が66件、相模原市が43件で上位を占める。前年比で横浜市、川崎市は減少したが、相模原市は22・9%の増加。他の地域で2桁増は鎌倉市、大和市、綾瀬市、高座郡、足柄上郡、愛甲郡。
全体に、市況悪化を主体とした「販売不振」は減少。一方で、長期にわたる業績不振や累積赤字を抱える「既往のシワ寄せ」が大幅に増加するなど、不況型の中でも特徴が見られた。業歴別でも、「20年以上」が全体の50%超を占めるなど、長期にわたり劣勢を強いられる企業の脱落が目立つ結果となった。
※全国建設業は13・3%減
全国で15年の建設業の倒産件数は前年比13・3%減の1612件と7年連続で減少。住宅着工や都市部の再開発事業など、好調な民間需要を背景に、特に東京都や千葉県で倒産件数が減少した。00年以降では最小の倒産件数となる。
全産業の倒産件数は7・2%減の8517件で7年連続で前年を下回るとともに、05年以来10年ぶりに9000件を下回った。負債総額は7・7%増の2兆0108億円と3年ぶりに増加に転じた。
建設業の倒産件数を月ベースで見ると、3月と11月を除いた10カ月で前年同月を下回った。業種別では総合工事業が18・9%減の646件、設備工事業が19・5%減の346件と2桁台の減少だったのに対し、職別工事業は1・9%減の620件とほぼ横ばいだった。
提供:建通新聞社