能登町は16年度、旧のと鉄道宇出津駅周辺で計画する新庁舎建設について、基本・実施設計に着手する方向で準備を進めている。用地測量や一部用地取得にも取り掛かりたい考えだ。
新庁舎は、現在の「分庁方式」から能都庁舎のある宇出津地区に本庁を置き、内浦と柳田を総合支所とする「本庁・支所方式」に移行するため計画。既存施設の老朽化の改善や、将来的な行政サービスの効率化などを図る。昨年11月に新庁舎基本構想策定委員会(數馬嘉雄委員長)から受けた提言を踏まえ、旧宇出津駅周辺用地約1万2000平方メートルに建設する。
これまでにまとめた基本構想によると、建設規模には5300〜5700平方メートル程度を想定。町民が交流できるイベント空間や、金融機関、コンビニエンスストア、多目的トイレ、ベビーチェアの導入なども検討する。災害時の防災拠点としての機能を備え、将来の組織編成や利用目的の変更にも対応できる柔軟性のある施設づくりを目指していく。駐車場は近接するコンセールのとの来客用と合わせ120台程度を確保する予定。
町によると、建設用地のほとんどが町有地であることから、土地取得費や造成工事費を大幅に抑えることができるという。財源には合併特例債や庁舎建設基金などを充てる。概算事業費に30億円を見込む。
新年度に設計や測量などを完了させた後、17年度から建設工事に着手するスケジュールだ。19年度後半の開庁を目指している。基本構想策定業務は計画情報研究所が担当した。
総合支所となる内浦と柳田の既存2庁舎については、耐震化が未実施で老朽化していることから、将来的に建て替えが計画されている。