高知県と高知市は1月19日、合同の南海トラフ地震対策連携会議を開き、2016年度の取り組みと当初予算要求の要点についてまとめた。ハード整備では、県が河川・海岸堤防の耐震化などの長期浸水対策を重点的に進めるほか、遺体対応として市が老朽化している斎場の増改築に16年度から新規着手することなどを示した。
長期浸水対策では、県は河川堤防、海岸堤防の耐震対策と排水機場の耐震・耐水化を継続実施する。河川堤防の耐震化では、江ノ口・下知、高須、潮江地区を推進、国分川、下田川など6河川を対象に、16年度当初予算に20億5590万円を要望している。海岸堤防の耐震化では、若松町工区で耐震対策を完了させ、新田町工区で耐震工事に着手、16年度予算に19億5000万円を要望している。排水機場の耐震・耐水化では、江ノ口川、本江田川、鹿児川、鹿児第2排水機場を対象に7350万円を要望、県管理の全ての排水機場で耐震・耐水化対策を完了させる。
市は、新規事業で農地排水機場の耐震補強工事を実施する。対象は古川徳谷、出分の2カ所で、16年度予算要求額は450万円(17年度まで実施)。継続事業では、水再生センターの管理棟補強設計やセンター内施設の津波など診断に6000万円を要望している。
高知市斎場の整備・改修は16年度から3年計画で進める方針。16年度予算には、火葬炉や関連施設の増改築の事業費に10億2000万円を要望している。
公立学校の耐震化については、市が横浜小学校体育館の改築に新規着手する。16〜17年度の2カ年で総額4億9007万円を予算要望している。
新たな工業団地となる高知一宮団地の整備については、県が特別会計の工業団地造成事業で16年度予算に9億2256万円を要望している。また一般会計の共同開発関連工事助成事業には2億5327万円を要望し、高知市が行う道路、緑地・広場、調整池など関連工事への補助に充てる。市は、一般会計の一宮産業団地公共施設整備事業に9億9900万円で、県に委託する関連公共施設工事委託費を要望。特別会計の一宮産業団地開発事業費には1億4200万円で、県に委託する造成工事など委託費を要望している。
市が進める旭駅周辺都市整備では、住宅市街地総合整備事業に8億0831万円で、都市再生住宅建設、老朽建築物の買収除却など。下島土地区画整理事業には4億5974万円で、下島地区の換地設計、家屋の移転補償など。中須賀土地区画整理事業には4億4676万円で、換地設計準備、用地先行買収など。市単独費には3億2418万円で用地先行買収に充てる方針。
提供:建通新聞社