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建通新聞社(静岡)
2016/01/22

【静岡】沼津市新中間処理施設 スケジュールに遅れ

 整備計画が進んでいた沼津市新中間処理施設について、当初予定した2020年度の稼働開始が延期されることが分かった。1月19日に市役所で開かれた市議会民生病院委員会で市当局が明らかにした。焼却施設の建て替え需要が全国で高まり、当初約170億円を想定していた概算建設費が高騰していることなどが原因。建設需要が落ち込む可能性もある2021年度以降に工事着手すると仮定しそれまでの手順を逆算すると、事業者選定を18〜19年度に、焼却施設の実施設計を17年度から20年度に行うとみられる。事業手法の選定については、どの手法を取るかによって建設費用にも影響が出るため、さらに検討を進めていきたいとした。
 遅れの理由について、市当局側は建設コストの高騰の他に地元住民の未合意を挙げた。地元住民の合意について「地元の中瀬町自治会のうち、建設地に隣接する山ケ下町の住民と施設建設に関わる条件について合意が得られていない」と説明。清水町の外原区についても「建設に関する合意が得られていない」とした。
 基本計画によると、整備対象とする施設はごみ焼却施設とリサイクル施設。まず新たなごみ焼却施設を建設し、既存のごみ焼却施設の解体、新たなリサイクル施設の建設という手順で進める。新しい施設の焼却方式はストーカ式を基本とし、ごみ焼却施設の施設規模は1日当たり210d、リサイクル施設が1日当たり41d。煙突の高さは59b、炉の数は2炉。ごみピットの容量は、幅15b×奥行き32b×深さ16bの7680立方b。
 新たなごみ焼却施設の整備予定地は資源ごみ中間処理場と屋内温水プールを解体撤去した跡地。新施設完成までは現清掃プラントを使用するため、新ごみ処理施設建設の際に撤去する既存搬入路の代わりとなる仮設搬入道路を整備する。新たなリサイクル施設が完成するまでの資源ごみの処理については外部委託を、屋内温水プールは近接地での建設を検討している。新たなリサイクル施設は現清掃プラントを解体した跡地に建設する。調整池については基本的にごみ焼却場内とリサイクル施設場内に分割して設置するが、ごみ焼却場内にまとめて設置することも視野に入れる。
 事業方式については、プラントメーカーへのアンケート調査結果などから、PFI的手法を導入する場合はDBO方式(自治体が資金を調達し、設計や建設、運営を民間に委託する方式)またはBTO方式(民間事業者が施設を建設し、施設完成直後に自治体に所有権を移転し、民間事業者が維持・管理、運営を行う方式)を基本とする。アンケート調査ではプラントメーカー7社中6社がDBO方式を、1社がDBO方式・BTO方式を推奨した。DBO方式の利点としてはBTO方式などよりも大きなバリューフォーマネー(VFM)が得られることが挙げられる。一方、BTO方式の利点としては、建設時の支出を抑えられること、財政負担の平準化が図れることなどが挙げられる。
 ごみ焼却施設とリサイクル施設の整備・運営事業は分離発注とするとみられる。


提供:建通新聞社
(2016/1/22)

建通新聞社 静岡支社