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建通新聞社(神奈川)
2016/01/20

【神奈川】横浜市 瀬谷区プラン改定素案 駅周辺の生活拠点と水と緑の2大拠点を中心にまちづくりを展開

 横浜市瀬谷区は、おおむね20年後を見据えた将来像を描いた都市計画マスタープラン「瀬谷区プラン」の改定素案をまとめ、市民意見の募集を開始した。旧上瀬谷通信施設の跡地利用による都市構造の変化を予測。駅周辺の生活拠点の利便性や快適性を向上させるとともに、水と緑の2大拠点を保全・活用するとした。2016年度中ごろに原案を作成し市民意見を募集。都市計画審議会を経て確定、告示する。
 まちづくりの目標は、@身近な水と緑が育む、安らぎのある暮らしA多様な世代が住みつないでいくB多様な都市活動や産業を支える、にぎわいと活気をつくるC区民の暮らしを支える、便利で使いやすい交通環境を整えるD人々が集い交流できる環境づくりを通じて、人のつながりを育むE地域と関わりながら、さまざまな人々が協働できる―の六つを設定した。
 土地利用の方針としては三ツ境駅、瀬谷駅周辺の市街地を「中心地域」として都市型住宅地への更新を誘導する。「住宅地域」は多様な世代が生活しやすい住環境へと改善し、地区計画や建築協定などによる住環境の維持・保全に努める。団地地区での改修や建て替えでは、地域の新たなニーズに対応した機能の導入を検討する。
 「緑農地域」は農地や樹林地などを保全、継承し、上瀬谷通信施設については全市的・広域的な課題への対応を考慮した土地利用を検討、具体化する。
 「産業流通地域」は高速道路インターチェンジへのアクセスの良さを生かし、産業・流通施設を主体とした土地利用を継承するとし、国道16号(八王子街道)や環状4号線の整備を推進する。
 都市環境の方針は、境川、大門川、相沢川、和泉川、阿久和川の5本の川と周辺環境を保全、育成。北と南にある「水と緑の2大拠点」は、将来にわたる計画的な保全を進める。
 低炭素型のまちづくりでは、HEMSの導入やCASBEE横浜の普及などの事業を活用し、エネルギー効率の良い都市施設・建築物への転換を推進。自転車や徒歩による移動を可能にする環境整備や仕組みづくりも挙げた。
 都市交通の方針は、都市計画道路などの道路網を整備し、三ツ境駅・瀬谷駅を拠点として区民が利用しやすいバスを中心とした公共交通サービスの充実を目指す。快適に歩くことができるネットワークの拡大も整備方針の一つ。
 横浜環状道路”西側区間”は、区内外の交通情勢を見極めながら整備を検討する。
 都市防災の方針は、5本の川の未改修護岸や遊水地の整備など治水対策を進め、雨水幹線など下水道整備により水害に強いまちをつくる。
 幹線道路沿いの建物の不燃化を進め、延焼遮断帯を形成するとともに耐震化を進める。
 防犯上課題のある老朽化の著しい空き家は、地域住民の協力を得ながら適切に対応。地域活動などに気軽に集える場づくりを推進する。
 これらの目標や方針の実現には、自治会町内会や地域の活動組織との協働が不可欠。区民との協働でさまざまな取り組みを推進する。