JR京葉線への新駅設置を検討する「幕張新都心拡大地区新駅設置調査会」の第1回目が19日、県企業庁で開催された。調査会では、今後実施する調査の内容とスケジュールについて説明。来月から測量、地質調査に入り、5月ごろから基本調査を実施。その後、設計などを行い、2020年の暫定開業を目指す。今後、協議会的な組織を立ち上げていく考えも示された。
新駅はJR京葉線海浜幕張駅と新習志野駅間に設置。駅舎は千葉市と習志野市の行政界付近で千葉市美浜区浜田地先に設置する予定。
新駅設置に伴う測量・地質調査は、新駅及び自由通路の予定地付近を対象に、調査会の構成員であるイオンモールが3か月程度かけて実施する予定。その後、5月ごろから基本調査に入り、駅舎の規模や概算事業費、概算工期などについて検討する。基本調査は昨年12月28日にJR東日本に協力を依頼し、現在、同社からの回答を待っている。順調なら年内には調査結果がまとまる見通し。
調査会は、JR京葉線海浜幕張駅と新習志野駅間での新駅設置の可能性及び設置による影響等の調査・研究を行うことを目的に昨年12月25日に設置された。構成員は県企業庁(吉田雅一企業庁長)、千葉市(熊谷俊人市長)、習志野市(宮本泰介市長)、イオンモール(吉田昭夫代表取締役社長)の4者。
県企業庁長と千葉市長が代表を務め、事務局は県企業庁地域整備部事業調整推進課と千葉市総合政策局総合政策部政策企画課幕張新都心室に置く。
調査会では、吉田企業庁長が「2013年12月にイオンモール幕張新都心がオープンし、若葉住宅地区で1万人を超す新たな街づくりがスタートするなか、幕張新都心の交通利便性の向上が重要になっている。地元市や進出企業と協力して新駅設置の可能性を十分検討したい」とあいさつ。
また、共同代表を務める熊谷千葉市長は「2020年の東京オリンピック・パラリンピック、若葉住宅など、幕張新都心では様々な動きが予定されている。千葉市も昨年末に国家戦略特区幕張地域が決定した。皆様と一丸となってスクラムを組んで新駅設置の実現に向けて取り組んでいきたい」と述べた。
報道陣の取材に応じた同市長は、今後に向けての意気込みについて「2020年の暫定開業に向けてどのようなステップを踏んでいくのか、新駅設置に係る影響等をしっかりと把握した中で、4者間で情報を共有し、一歩ずつ実現に向けていきたい」と述べ、東京五輪開催に向けては「現在の海浜幕張駅だけでは厳しいものがある。交通の分散化、交通機能の強化によって幕張新都心地域全体を活性化させるために新駅設置について検討するのが共通の見解」との認識を示した。
京葉線への新駅設置については、1991年に県企業庁がJR東日本に設置を要請。企業などと駅舎の設置を検討したが、その後、社会・経済情勢が大きく変化し、景気低迷などで98年から活動を休止していた。