愛媛県内の主要水道施設の耐震化率は2015年3月末現在、基幹管路で23・2%、浄水場で47・9%、配水池で48・2%。全国平均に比べると導水管や送水管など基幹管路が12・8ポイント低い半面、浄水場が24・5ポイント高く、配水池は1・5ポイント低いが全国平均並みであることが厚生労働省がまとめた調査結果で明らかとなった(2面表参照)。
厚労省は、08年度から全国の水道管や浄水施設など水道施設の耐震化状況を調査しており、14年度末時点の調査結果がまとまった。14年度末の基幹管路の全国平均は36・0%、浄水場が23・4%、配水池49・7%となっている。
県内の前年度からの進捗は、基幹管路については、8市町で老朽管更新工事に合わせて耐震管が整備されたことにより耐震管が増加。西予市や砥部町においては、簡易水道の上水道への統合による耐震性のない基幹管路の増加に伴い耐震化率が減少した。
浄水場については、宇和島市や南予水道企業団が耐震化工事を実施した結果、耐震性が確認されたことにより4・4ポイント増加。
配水池については松山市、新居浜市で耐震化工事が実施されたほか、松山市や南予水道企業団が既存施設の耐震診断を実施した結果、耐震性が確認されたことにより2・4ポイント増加した。
県内の耐震化率は着実に増加し、浄水場は全国上位、配水池は全国平均並みとなっているが、基幹管路の耐震化率は依然低い状況。
要因は、山間部などに小規模な集落が点在し施設の集約化が困難なことや、市町の財政状況などの理由から管路の耐震化率は低い。ほか各市町の簡易水道統合計画に基づく、簡易水道の上水道への統合により耐震性のない基幹管路の増加に伴う耐震化率の減少も影響している。
県は、水道事業者などに対し、耐震化に係る交付金の活用や耐震化計画策定の促進、災害時に拠点となる重要施設へつながる基幹管路の耐震化の優先的整備など、適切に助言していく方針。
県内の基幹管路の総延長は1441・3`。うち耐震適合性のある管の延長は334・9`(耐震管延長は195・3`)。浄水施設の全施設能力は68万2254立方b/日。うち耐震化能力は32万6766立方b/日が耐震化。配水池の全施設容量は40万4642立方b。うち19万5192立方bが耐震化されている。
提供:建通新聞社