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　国土交通省関東地方整備局が利根川水系霞ヶ浦河川整備計画案をまとめた。関係省庁や県からの意見を踏まえ、近く策定される。同案では、河川整備実施箇所として無堤区間における堤防の整備２カ所と、波浪対策17カ所を明示。さらに雨量情報などを詳細に把握し、関係機関へ伝達するための通信経路の二重化など、危機管理対策を５カ所で行うとしている。所管する霞ヶ浦河川事務所では、波浪対策のうち優先順位の高いものについて、おおむね５年間で集中的に整備する方針。茨城国体関連でもある阿見町廻戸〜掛馬の水辺整備は、来年度に事業に着手する予定だ。
　霞ヶ浦の大臣管理区間１３６・９�qでは、西浦の阿見町青宿地区、北浦の潮来市釜谷地区に無堤区間が残るものの、堤防はほぼ計画断面を満足している。一方で、高波浪による堤防侵食被害が各所で見られるなど、十分な安全性を確保できている状況ではない。
　本計画は、おおむね30年間を対象期間とし、ハード対策を講じる具体的な箇所を明示した。
　堤防整備は、無堤区間となっている西浦右岸の阿見町青宿44・８〜46・０ｋ付近と北浦右岸の潮来市釜谷７・８〜８・３ｋ付近で実施。計画高水位（湖水位）２・８５ｍ、計画堤防高３・５ｍ、天端幅４ｍの断面形状を満足する形で整備する。
　また波浪被害に対しては、護岸や離岸堤による対策を実施。施工場所として外浪逆浦で３カ所、西浦で９カ所、北浦で５カ所の合計17カ所を示した。
　さらに減災・危機管理対策として◇常陸川左岸、神栖市太田〜賀０・０〜12・５ｋ付近◇外浪逆浦左岸、神栖市賀〜潮来市徳島０・０〜３・０ｋ付近◇西浦中岸、かすみがうら市石田〜石岡市高浜23・３〜36・５ｋ付近◇北浦左岸、鉾田市鉾田〜柏熊−の４カ所で、観測機器、電源、通信経路の二重化などを図る。
　美浦村大山の28・５ｋ付近には、緊急時に水上から備蓄資機材を搬出できるよう船着き場を整備。現在、航路浚渫や特殊堤の工事が進められている。
　西浦右岸の阿見町廻戸〜掛馬43・０ｋ付近では、町と共同による水辺整備を実施。事業箇所は茨城国体のセーリング会場で、階段護岸工を予定。国体前に事業を終える。
　また、西浦中岸の土浦市田村〜かすみがうら市戸崎６・０〜９・５ｋ付近では自然再生事業を実施。同事業では本年度、土浦市沖宿地区工事を「女性技術者の登用を促すモデル工事」として発注。松崎建設�梶i潮来市）が１億５３００万円で落札している。
　なお、本計画案とは別に、昨年９月の関東・東北豪雨災害を踏まえ同地方整備局が先月取りまとめた「水防災意識社会再構築ビジョン」のハード対策では、常陸利根川について流下能力対策１カ所０・１�q、侵食・洗掘対策12カ所14・３�qについて、おおむね５年間で実施するとしており、霞ヶ浦河川事務所は「整備計画案に示した箇所のうち優先順位の高いものについて盛り込んだイメージ」と解説した。
　河川整備計画案で示された波浪対策箇所は次のとおり。
　【外浪逆浦】
　〔右岸〕
　◇千葉県香取市三ノ分目〜潮来市十四番０・０〜５・０ｋ付近
　〔左岸〕
　◇神栖市賀〜下幡木０・０〜２・５ｋ付近
　◇潮来市徳島〜関谷３・２〜６・５ｋ付近
　【西浦】
　〔右岸〕
　◇潮来市向津〜稲敷市尾島０・０〜９・３ｋ付近
　◇稲敷市浮島〜西ノ洲干拓13・８〜17・２ｋ付近
　◇稲敷市古渡〜鳩崎22・１〜24・２ｋ付近
　◇美浦村余郷入干拓25・７〜26・８ｋ付近
　◇美浦村舟子〜阿見町大室40・０〜44・９ｋ付近
　◇土浦市大岩田〜蓮河原46・７〜48・８ｋ付近
　〔中岸〕
　◇土浦市港町〜木田余０・０〜３・２ｋ付近
　◇かすみがうら市加茂〜牛渡11・５〜18・２ｋ付近
　〔左岸〕
　◇行方市五町田〜手賀12・６〜18・３ｋ付近
　【北浦】
　〔右岸〕
　◇潮来市洲崎〜水原０・０〜５・８ｋ付近
　◇行方市平須〜繁昌18・１〜23・９ｋ付近
　〔左岸〕
　◇鹿嶋市大船津〜須賀０・０〜４・０ｋ付近
　◇鹿嶋市沼尾〜津賀６・０〜12・２ｋ付近
　◇鉾田市安塚26・２〜27・８ｋ付近