日本工業経済新聞社(群馬)
2016/01/19
【群馬】利根川水系砂防事務所が片蓋川砂防施設整備工事で堰堤一部公告
嬬恋村鎌原の片蓋川で砂防事業を進めている国土交通省利根川水系砂防事務所は、近く第二砂防堰堤の袖部分の一部を公告する。入札は一般競争の総合評価落札方式(施工能力評価U型)を採用し、砂防堰堤整備の実績があるかどうかを評価する。工事発注規模は1億円から2億円を想定。今回の工事は来年11月までの工期を予定。2017年度には残りの袖部分に取りかかっていくこととなりそうだ。
片蓋川砂防施設整備工事は融雪型火山泥流対策として計画された、浅間山直轄砂防事業の一環で国立公園内に砂防堰堤などを整備する。
第二砂防堰堤はL約344m、H約14・5mで水通し幅は約50m、H約3・4m。副堰堤はB約74m、H約6・5m。コンクリート打設量は本堰堤や水叩きなどを合わせて約2万1700立方m。貯砂量を増やすために堰堤の上流側を約5万3000立方m掘削して貯砂量を約10万立方mにするが、発生土は工事材料の砂防ソイルセメントに有効利用する。
今回の工事では左岸側の袖部分の一部、L約77・2m、H約4・9m〜約11・9mについて砂防ソイルセメントを中心に約6680立方m打設。ソイルセメントの土も堰堤上流側から掘削して混合する。
このほか天端保護のためのコンクリート打設が約130立方mある。景観を配慮して堰堤に植生マット工を施し、どのような種を植えるかは今後に検討していく。根固ブロック約100個(支給品)の設置なども実施する。設計は日本工営(東京都千代田区)が作成した。
同事務所は仮設工事として砂防ソイルセメントの混合場所を堰堤の左岸側、資材運搬道はL約190mを想定している。事業のための工事用道路は本年度に完成済みだ。
工事完了予定がことし11月と冬期にかかるため、その後の発注は17年度になりそうだ。左岸側の袖部分の残りについても、砂防ソイルセメントを使用して整備を進める可能性が高い。
第二砂防堰堤自体の完成はおおよそ5年後。その後は200mほど下流側に堰堤1基を造る計画が出ている。