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建設新聞社(長崎)
2016/01/18

【佐賀】城原川ダム事業検討 ダム案が最も有利

第3回 城原川ダム事業関係地方公共団体検討の場
     九州地方整備局が評価結果を提示【山口】城原川ダム事業検討の場の様子

 国土交通省九州地方整備局は14日、佐賀市文化交流プラザで城原川ダム(神埼市)事業の関係地方公共団体からなる検討の場の第3回会合を開いた。流域の治水について、ダム案(河道改修含む)が最も有利とする総合評価結果を提示した。今後は対応方針案の素案を作成し、学識経験者や関係住民、県知事から意見を聞き、対応方針案原案をまとめ、九州地方整備局の事業評価監視委員会の審議を経て、対応方針を国交省に報告する。
 九州地整は、城原川の治水対策についてダム建設案と概略評価により抽出された治水対策案6案を合わせた7案について安全度、コスト、実現性など7項目の評価軸で評価を実施。コスト面では、ダム建設が総事業費約510億円(うちダム残事業費約439億円、河道改修約71億円)と7案の中で完成までの費用が最も少なく、安全度においても目標を上回る洪水が発生した場合、ダム案が有利とした。また、実現性についても、15年後に最も効果を発現していると想定されている案はダム案とし、総合的な評価の結果、最も有利な案はダム案とする評価結果を示した。
 検討の場に出席した松本茂幸神埼市長や赤司邦昭佐賀市副市長は、一日も早い治水対策を求めた。
 ダム案は、河川整備目標流量等毎秒540立方bに対して、城原川ダムを建設するとともに河道掘削や堤防拡幅などを行い、城原川の日出来橋地点において、河道整備目標流量毎秒330立方bの安全な流化を図ることとしている。
 ダムの建設予定地は城原川上流の神埼市神埼町・脊振町。規模は高さ約60b、堤頂長約330b、総貯水容量約355万立方bの重力式コンクリートダム(流水型ダム)で、流水口1門を設ける。このほか、河川改修では河道掘削約12万立方bなどを行う計画にしている。
 ダム建設に係る総事業費は約484億円で、16年度以降の残事業費は約439億円(工事費196億6800万円、用地費・補償費132億9900万円円、間接経費69億3200万円など)。河川改修には約71億円を見込んでいる。
 工期は、建設事業着手から約13年間程度を見込んでおり、このうち用地調査・用地補償などに4年間程度要するとみている。2016年度政府予算案には、城原川ダム建設事業費約1億円が盛り込まれており、水理水文調査、環境調査などを実施する。

ksrogo