愛媛県道路メンテナンス会議(会長・横尾和博国土交通省松山河川国道事務所長)が12日、松山市で開かれ2014年度の点検結果や15年度点検速報、「補修など早期措置が求められる判定区分V」の今後の補修方針などが話し合われた。
橋梁、トンネルなどの道路構造物は14年7月から5年に1度、近接目視点検し点検結果として健全性を4段階(T〜W区分)に診断・公表することが義務付けられている。
15年8月に14年度点検結果として「緊急な措置が必要(W区分)」な橋梁として四国中央市管理の江之元海岸線の静進橋が報告されており、今回新たに15年度点検で久万高原町が管理する市口線の市口橋が、W区分と判定され全面通行止めとなっていることが報告された。損傷具合は極めて悪い状況にあるという。
14年度点検判定でW区分に判定された四国中央市の静進橋(延長15・6b)は現在、重量通行制限が実施されており、今後の対応として15年度に調査・設計が行われ、17年度に工事が予定されている。
ほかトンネルの鬼北町と高知県梼原町を結ぶ高研隧道が、覆工コンクリートの剥落の危険性から全面通行止めの措置が取られていることが、報告された。
14年度に点検された1433橋のうち「早期措置が求められる(V区分)」の橋梁が267橋と多くあることから、V区分の橋梁数が二桁ある8自治体が、今後の対応方針や意見を横尾会長から聞かれ、愛媛県は「14年度点検橋梁数は183橋。うちV区分は36橋あり、14・15年度で3橋を補修、16年度に28橋、17年度に5橋を補修する方針」と説明。
松山市は「全体橋梁数1200橋あり、毎年200橋程度点検していき、補修すべき箇所は補修していく」。
宇和島市は「注入予算がかさみ、なかなか進まないが危険箇所は注意して点検・補修していく」。
新居浜市は「14年度点検橋梁数は171橋。うちV区分は34橋あり、補修費見込みは約7億円が必要のため、損傷度の大きいものから順次補修していく」。
西条市は「予算の平準化を図りながら点検・補修や職員の技術向上を図っていく」。
四国中央市は「V区分は20橋あり、予算面で一遍には難しいが5カ年計画中には対応していく」。
砥部町は「14年度点検橋梁数は36橋。うちV区分は27橋あり通行量の多い橋梁から補修していく。優先順位を決めたい」。
伊方町は「14年度点検橋梁数は26橋。うちV区分は旧基準で14橋だが、新基準では4橋となる」とそれぞれ意見・方針を説明した。
横尾会長は、それぞれの意見を総括し「補修は点検より予算がかかる。V区分は早期措置が求められるため、重要・緊急性や路線の重要性に配慮し、前倒しできる計画を立ててほしい」と早期修繕を求めた。
14年度に点検され早期措置が求められるV区分に判定された橋梁267橋(15年6月時点)の管理者は国が15橋、愛媛県が37橋、松山市が46橋、今治市が4橋、宇和島市が48橋、八幡浜市が8橋、新居浜市が34橋、西条市が14橋、四国中央市が12橋、西予市が1橋、東温市が1橋、上島町が2橋、砥部町が27橋、内子町が1橋、伊方町が15橋、愛南町が2橋となっている。
愛媛道路メンテ会議は、13年度の道路法改正などを受け、14年6月に設立され、道路橋などの点検促進や地方自治体職員などの技術力向上を図る講習会などを実施している。
提供:建通新聞社