高知県農業振興部は、2016年度当初予算のうち、公共事業に34億8562万円を要望している。対前年度比では80・4%。津波避難タワー、避難路などの農村集落防災施設整備やため池の補強、地すべり防止といった耕地防災事業に前年度当初より増額した予算を要望をしている。
耕地防災事業費には、対前年度比105・4%の19億7029万円を要望。うち、地すべり地域の保全対策工事を実施する地すべり防止事業費には3億3390万円で、大豊町粟生ほか5地区で実施予定。県営ため池等整備事業費には1億9635万円、ため池下流域の住民の安全を確保するため、耐震化などの整備補強工事を室戸市西山ほか2地区で実施予定。農村災害対策整備事業費には13億4166万円、避難タワー、避難路など避難場所の整備を四万十町興津ほか6地区で実施予定。団体営総合農地防災事業費には3470万円、農村災害対策整備計画などの作成と整備工事をいの町横野など3地区で実施予定。
県営土地改良事業費には、対前年度比54・0%の6億2889万円を要望。うち、県営事業で造成された基幹農業水利施設の長寿命化計画の作成と補修工事を行うかんがい排水事業費には2億1667万円、高知市吾南ほか5地区で計画策定、高知市東部1期ほか2地区で工事実施する予定。経営体育成基盤整備事業費には2億3467万円、農業の担い手への農地集積を進めるため、ほ場整備の計画策定と整備工事を行う。四万十町米の川ほか1地区で計画策定、四万十市入田ほか2地区で工事実施予定。中山間地域総合整備事業費には1億7754万円、安芸市安芸地区で、中山間地域の農業生産基盤と農村生活環境基盤などの整備を総合的に実施する。
団体営土地改良事業費には、対前年度比54・6%の3億4781万円を要望。うち、団体営事業などで造成された農業水利施設の長寿命化計画の作成と補修工事を実施する地域農業水利施設ストックマネジメント事業費には1億6510万円、香南市物部川統合堰ほか6地区で計画策定、四万十市大用ほか2地区で工事実施予定。農業基盤整備促進事業費には1億8271万円、農業の経営規模拡大や高付加価値化を支援するため、農業用用排水施設、農作業道などの整備を実施する。
南海トラフ地震対策関連については、津波避難施設の整備を興津、伊尾木、香南南部、大方西部地区で実施する。
ため池の耐震化整備では、老朽化したため池整備と併せて耐震化整備を松ヶ丘、西山、宿毛東、窪川地区で実施する。大峯池では、ため池の耐震化整備を実施し南海トラフ地震対策を加速化する。
県有建築物の耐震化・室内安全対策では、いの町の農業大学校本館外壁改修、農業技術センターでの耐震対応重油タンク、防油堤設置など、畜産試験場の畜舎耐震診断などを予定している。
提供:建通新聞社