全国木造建設事業協会(全木協)は13日、大分市の県木連で応急仮設木造住宅の施工技術と指導員の講習会を開いた。
同協会は、東日本大震災発生を受け、応急仮設木造住宅建設を目的に全国工務店協会(JBN、約3000社)と全国建設労働組合総連合(全建総連、約62万人)が設立した団体。講習会には、県内各地からJBN会員、県建設合同労働組合加盟の職人、行政などの約50人が参加。
午前中は、坂口岳JBN事務局長が、「全木協が20都県と締結した災害協定(大分県は26年2月に締結)の現状と締結の意義」、東日本大震災発生後、700戸以上の応急仮設木造住宅を供給した和田正光潟Gコ・ビレッジ社長(福島県いわき市)が、応急仮設木造住宅の概要と施工マニュアルについて解説した。
午後からは県木連の敷地で、9坪(29・81平方b)2DKタイプの仮設住宅を設営。模擬朝礼、基礎の木杭打ち、土台敷き、柱建てをし、1時間20分で上棟した。
9坪タイプの住宅は、ダイニングキッチン、4・5帖の畳の部屋が2室あり、バス、トイレは別々。住宅は連結が可能。全国共通の設計図、構造材、合板、ボルトなどの明細が用意され、どこでも同一の品質で住宅が建設できる仕組み。
馬場鉄心全木協県協会長(日本ハウジング且ミ長)は「県内で災害が発生したときは、主幹工務店のわが社から各地域の幹事工務店に連絡し、職人と木材会社への材料手配が電話1本でできる仕組みを構築している。きょう参加している職人たちが、仮設住宅建設の現場で指揮をとる」と話した。
仮設木造住宅で実際に生活が始まるのは場所選定から約3週間後。公園、グラウンド、広場などに建設するため、@雨水排水、外部給排水工事A砕石敷きB基礎木杭打ちC土台敷きD建方E内部給排水配管F筋交いG屋根H外壁I床下地・仕上げJ内部電気配線K壁断熱材L界壁ボード張りM外部電気と給排水接続Nその他最終工事―の手順になる。
全木協の資料によると、東南海巨大地震が発生し、東海地方が大きく被災した場合、大分県では住宅全壊が@揺れ―3000棟A液状化―2600棟B津波―1万1000棟C急傾斜地崩壊―300棟D火災―600棟の計1万8000棟。関東から九州までの合計で238万2000棟の全壊を予想している。
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大分建設新聞社