トップページお知らせ >地方ニュース

お知らせ

地方ニュース

北陸工業新聞社
2016/01/12

【石川】谷本知事が意欲「夢物語に終わらせない」/金沢城公園二の丸御殿復元/新年度から調査研究へ

 「(新たに発見された金沢城の古絵図は)二の丸御殿の変遷を解明する上で貴重な資料。単なる夢物語に終わらせないための始まりの年としたい」―。谷本正憲知事は4日開かれた年頭の記者会見で金沢城公園二の丸御殿復元工事に並々ならぬ意欲を見せ、新年度から本格的な調査研究に乗り出す意向を明らかにした。
 二の丸御殿の建物は、明治に入っても陸軍第9師団の拠点として存続したものの、明治14(1881)年に兵隊の火の不始末により焼失した。御殿に関する資料は嘉永3(1850)年前後がほとんどだったため、その後の変遷を解明する資料が不足していた。
 このほど県金沢城調査研究所が個人所有の資料の中から発見した御殿の絵図面は、明治政府が全国にある城の存廃を検討するために明治5(1872)年ごろに作成したものと見られており、金沢城全体の建物配置が明確に把握できる内容。
 それによると、御殿(建物面積約1万600平方メートル)の屋根部分は鉛葺き413坪、柿葺き678坪、銅葺き1326坪、瓦葺き662坪だったことや、建具関係では唐紙417枚、障子1050枚、杉戸66枚が使用されていたことが判明。また、竹の間、松の間、奥書院などの間取りに関してもほぼ、そのままで明治維新を迎えたことが分かった。
 会見の中で谷本知事は、御殿の復元の可能性に関して「こうした図面を一つひとつ発見しながら文化庁の理解を得ていくことが大事。もし、古写真が発見され、城の天井や襖にどういった絵が描かれていたかが判れば鬼に金棒だ」と述べ、新年度から始まる金沢城公園第3期整備工事と併行して進める二の丸御殿の調査研究の成果に期待感を表明していた。

hokuriku