上越市は、「上越市公共施設等総合管理計画」をまとめた。所有する公共施設およびインフラ施設の状況を踏まえ、将来にわたる管理の基本的な方針を定めるもので、計画期間は16年度から30年度までの15年間。
14年4月1日時点の集計で市が保有する公共施設は939あり、総延床面積は101万2000平方メートル。用途別の内訳では、学校教育系施設が最も多く全体の36・6%を占める。次いで集会施設など市民文化系施設が16・2%、体育館などスポーツ・観光施設が15・4%と続く=表参照。市民一人当たりの面積は5・28平方メートルとなり、全国40の特例市の中で最も多く、県内20市では8番目に高い。
このうち旧耐震基準(81年以前)の建物は33万9000平方メートル(33・5%)、新耐震基準以降の建物は67万3000平方メートル(66・5%)となる。築年別にみると、築30年以上の建物が44万平方メートル(43・5%)、築40年以上の建物は12万7000平方メートル(12・5%)ある。10年後には築30年以上の建物が全体の7割を超える見込みであり、老朽化に伴う修繕・更新に係る財政負担の増大が懸念されるとしている。施設を現状のまま維持した場合、今後40年間の維持・更新費用は4325億円に上り、年平均で108億1000億円の経費が必要となる。
計画では、現状の課題を▽人口減少と年齢構成の変化への対応▽施設の過剰、重複や不均衡な配置への対応▽施設更新等に係る財政負担の抑制への対応▽施設機能の維持・向上への対応−の4つに集約し、公共施設マネジメントの取組方針を示した。まず、統廃合・機能集約の推進として、施設やカテゴリーの性格に応じた利用圏域を設定、地域の実情に応じた配置の適正化に取り組む。このほか、耐震化や危険施設の早期除却など安全確保、トータルコストの縮減・平準化を前提とした施設の更新と不要施設の廃止、民間の技術・ノウハウと資金を活用したPPP/PFIの導入検討などを進めていく。